ホーム | 日系社会ニュース | 県連代表者会議=政府支援55万レは無理=日本祭り開催中止の声も=山田氏「今年が正念場、決行へ」
説明する山田実行委員長(左)と市川委員(右)
説明する山田実行委員長(左)と市川委員(右)

県連代表者会議=政府支援55万レは無理=日本祭り開催中止の声も=山田氏「今年が正念場、決行へ」

 県連日本祭りへの議員割り当て金や「PROAC(州の免税プログラム)」の助成を得ることが今年は難しく、この関連で55万レアルも収入減額――との衝撃的な数字が、ブラジル日本都道府県連合会(本橋幹久会長)の5月度代表者会議で発表された。
 28日午後、県連大会議室で行われ、各県人会代表者39人が参加した。議題の中心は、残り2カ月をきった「第18回日本祭り」だ。資金不足で開催が危ぶまれる同祭の現状について、実行委員会の山田康夫委員長(滋賀)と市川利雄委員(富山)が終始現状の説明に尽くした。
 昨年8月に発表された予算見積もりでは、今年は支出292万7千レ、収入275万8千レで、設備代増加等の影響で当初から16万9千レアルの赤字見込みだった。
 実行委員会では設備会社と交渉を重ね、支出を280万レに圧縮させ、企業からのスポンサー収入を増大させる努力を重ね、うまくいけば黒字になりそうな状態にまでなっていた。ところが開催まで2カ月を切った5月末現在、状況はさらに厳しくなった。
 大幅予算削減を敢行中の連邦政府や、巨額の水不足対策費に苦しむ州政府は、昨年まで出していた議員割り当て金やPROACを強く抑制し、今年は出ないことが5月始めにはっきりした。黒字になりそうだった会計は、見込んでいた議員割り当て金など政府支援55万レアルが不可になったことで、一気に27万レ赤字になったからだ。
 これが明確になった時点で「開催中止した方がいい」との声も委員会内部では出たが、山田実行委員長は「今年は日伯120周年。すでに多額の準備資金を投じており、企業からの信用を考えれば、今年は正念場。例え赤字でも決行し、来年以降に繋げたほうが得策」と訴えた。
 実行委員会は赤字対策として、さらに協力企業のスポンサー収入を増やす意向だ。新たなスポンサーとして楽天や三菱電機が加わり、当初よりより32万4レ増の資金が集まっている。
 最終的に残る赤字分に関しては、「何回もできることではないが、県連には貯蓄がある。それを切り崩す」と説明し、覚悟を決めている様子を窺わせた。