コカインやクラック使用者が増える中、13年のサンパウロ州ではコカインが直接、間接の死因とされる死者が1日に約5人いたと5月31日付フォーリャ紙が報じた。
法医学研究所のデータによると、過剰摂取や他の薬物併用、吸引後に頭部打撲なども含む死者は1685人で、4・6人/日が犠牲となった。鑑識官のジュリオ・ポンセ氏は「血液中の麻薬成分検査は、鼻腔に白い粉があるなどの兆候確認後や関係者の証言で麻薬使用が疑われてから行われるため、実際の死者はもっと多いはずだ」と言う。
過剰摂取の判定は、血液1cc中に0・7マイクログラム(100万分の1グラム)以上のコカイン検出を基準として行われた。通常は0・9マイクログラム/cc以上が過剰摂取だが、その他の薬物と併用すると少量でも致死率が高まる。
0・7マイクログラム/cc以上検出の死者は88人で、男性76人、女性12人。在住地はサンパウロ市41人、大サンパウロ市圏17人、内陸部30人で、5マイクログラム/ccのコカイン検出例も11件あった。内4人は麻薬数種を混ぜた飲み物を飲まされた刑務所収監者、胃の中でカプセルが破裂した運び屋も1人いた。
塩化エチルと呼ばれる甘い香りを持つ無色の気体を吸引するランサ・ペルフーメや酒などとの併用も怖く、コカインとの関連が疑われるサンパウロ市の死者144人中32人は、ランサ・ペルフーメ使用者か使用経験者だった。アルコール類とコカイン併用は吸収率や毒性を高めるため、心臓麻痺などを起こし易くなる。
13年の米国はコカインによる死者が4944人と群を抜くが、英国連邦は169人、オランダでは06~10年に76人などと少ない。14歳以上でコカイン経験のあるブラジル人は560万人。12年の調査では1年以内に麻薬を使ったというブラジル人は260万人だった。