これはもう、認めなくてはいけない。コリンチャンスは4月初旬までの勢いを完全に失ってしまった。「デング熱に倒れたエースFWのゲレーロが戻れば」(結局、デング熱から復帰後1点も取れず、契約満了でフラメンゴに移籍)「過密日程が緩和されれば」(最近はもっぱら週に1試合ペース)等々、言い訳のネタも切れた。
5月31日のコリンチャンス対パルメイラス戦はコリンチャンスのホームでの試合でもあり、「もっとも負けてはいけない相手」に屈辱の0対2、完敗だった。
同じ街に本拠を置くチーム同士の対戦は世界でも「ダービーマッチ」と呼ばれ、特別な盛り上がりを見せる。ブラジルでは「伝統の(試合)」という意味で、クラシコと呼ばれる。
クラシコに負けると何が一番辛いかというと、自分は負けて悔しがっているのに、同じ街に勝利に歓喜する敵ファンの凱歌が上がるのを受け入れなくてはいけないことだ。
勝った方もそれを知っているから、なおさら見せつけるようにして喜びを表現する。「奴等を順位だけ上回ってもしかたない、クラシコで必ず勝て」や「優勝よりも、クラシコでの勝利の方が大事だ」と言うファンまでいる始末。
事実、コリンチャンスは全国選手権で2勝1分1敗と決して悲観する状況でもないのに、新聞各紙には「危機」の文字が躍る。
3年前のクラブワールドカップでコリンチャンスに魅せられて移り住んできたコラム子は、ここで見捨てて「いいとこ取りのにわかファン」と呼ばれることを何よりの恥と思う。
倹約して買ったばかりの8試合セットのチケットもまだ7試合分残っている。どんなに酷い内容で負けても「ついていくぞ!! コリンチャンス」。(規)
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