下院が政治改革に関する法案審議を行っている最中、レナン・カリェイロス上院議長とエドゥアルド・クーニャ下院議長(共に民主運動党・PMDB)は1日、両院合同の「国営企業責任法特別委員会」を結成した。2日付伯字紙が報じている。
この委員会は上下両院各4人の議員からなり、委員会創設発表から数時間後には、ペトロブラスや郵便局、ブラジル銀行、連邦貯蓄銀行(CAIXA)、社会経済開発銀行(BNDES)といった国営企業役員も上院での諮問と承認を必要とするという法案に関する討議がはじまった。
両院議長は、同委員会設置はあくまでも役員選出時の透明性を高めるもので、連邦政府が持つ役員選出の権限を弱めるものではないと語っているが、実際は連邦政府が選んだ役員に対する上院の拒否権を強めるものだ。
現行の法律では、上院は連邦政府内の独立機関や公正取引委員会(Cade)のような機関の役員や外交官に指名された人物の諮問を行い、無記名投票で承認の可否を決めることができる。また、連邦最高裁や高等裁の判事の諮問と承認も上院の責任の下にある。
上院では5月、ジウマ大統領が最高裁判事に選出したルイス・エジソン・ファキン氏が長時間の諮問の後、過去最小の差でやっと承認された。同日の上院は、外交官のギリェルメ・パトリオッタ氏の米州機構代表入りを拒否している。
議会としては、国営企業責任法を通過させることで、議会の権限を国営企業の人事にも広げ、ペトロロンのような不祥事を防ぎたい意向だ。今回設置された委員会では、労働者党(PT)からは8人のうち、1人しか選ばれていない。
なお、両議長ともに、ペトロロンに関与した疑惑の政治家として連邦警察の捜査対象として目されている。
また、レナン議長は1日、「ブラジルの選挙システムは古すぎる」と語り、現行の選挙法の改正を望んだ。同議長は特に政党結成のためのハードルを上げ、企業による政治献金の上限を設けたいとしている。
現行法では、どの政党も助成金を得ることができ、テレビやラジオの放送時間も確保されることになっているが、下院では「議会内に議員が最低1人いる政党に助成金や放送時間を認める」という変更することが承認された。レナン議長はこれを小規模政党の設立禁止にまで持って生きたいとしている。また、企業献金も、現在は「前年度の収益の2%以内」との制限があるが、それをさらに厳しくしたい意向だ。
下院では、大統領と知事、連邦議員と州議員の選挙(統一選)と市長と市議の選挙(地方選)の同日開催や、すべての職務の任期を5年に引き上げることなど、政治改革6法案の審議を残しているが、選挙高裁は同日開催だと事前審理が不能として反対している。
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