ホーム | 日系社会ニュース | 「東京五輪に日系選手を」=パウリスタ・スポーツ賞贈呈式=19部門21人が受賞=選手や功労者を盛大に祝福
記念トロフィーを掲げる受賞者一同
記念トロフィーを掲げる受賞者一同

「東京五輪に日系選手を」=パウリスタ・スポーツ賞贈呈式=19部門21人が受賞=選手や功労者を盛大に祝福

 『パウリスタ・スポーツ賞』の贈呈式(ニッケイ新聞主催、高木ラウル社長)が1日午後7時より、サンパウロ市議会貴賓室で行われた。終戦後に勝ち負け抗争で二分したコロニアを、スポーツ振興を通じて融和させることを目的に創設され、今年で59回目を迎えた。野球や、テニス、ゴルフなど19種目から、特別賞3つを含む21人(団体)が受賞した。

 来賓として野村アウレリオ市議、在聖総領事館の佐野浩明首席領事をはじめ、手術直後で出席できなかった下本八郎元州議の代理で息子マルシオ氏、羽藤ジョージ州議、池田リュウゾウ陸軍少将や各日系団体代表者らが登壇した。また会場には受賞者の親族や友人約300人が駆けつけ、終始祝賀の雰囲気が流れた。
 高木社長は祝辞で「優秀な成績を上げた選手本人はもちろん、スポーツ振興に手弁当で粉骨砕身する団体幹部の皆さんのご苦労に少しでも報いるため、この賞は59年間続けられてきた。日本人がもたらしたスポーツが今ブラジル社会に浸透している証左がここにいる皆さんだ」と述べ、非日系人も数人含まれる受賞者を指差した。
 野村市議も「市議会でこの式典を4年連続受け入れたことを誇りに思う。青少年の健全育成は社会からもっとも求められる活動であり、単なるスポーツ以上の尊い価値がある」を称えた。
 受賞者は出席者全員が見つめる中、各スポーツ団体の代表と来賓の代表さからトロフィーを手渡された。一人ひとりの名前が呼ばれるたびに大きな拍手が沸き起こり、受賞者もそれに応え笑顔で受け取った。
 特別賞を受賞したラウロ・オオツカさん(68、二世)が受賞者を代表し、「名誉あるこの賞を受けて大変光栄」と緊張した表情で謝辞を述べた。オオツカさんは医師業の傍らテニス選手としても活躍し、今年2月から日系初の「パウリスタ・テニス・クラブ」会長を務めている。式辞後は「多くの子供たちにテニスを教えたい。テニスを通して人間性を学んでほしい」とほっとした表情で話した。
 日系人の陸上競技の振興に努め、国際日系人大会のブラジル団長を歴任した受賞者、吉川イサオさん(64、二世)は「陸上をやってきてよかったことは多くの人と出会えたこと。特に南米の日系人協会の方にはお世話になった」と振り返る。
 今後の目標として「来年のリオ五輪はもちろん、5年後の東京五輪に日系の陸上選手を出場させたい。そのための施設の準備や資金集めが私の仕事。これからも忙しいよ」と嬉しそうに意気込みを語った。
 式後には懇親会が開かれ、家族や受賞者同士で喜びを分かち合い、受賞の余韻に浸った。