昨年から自動車や機械などの耐久消費財の消費や製造低迷が顕著となっていたブラジルで、食品や衛生用品などの買い控えや生産削減が起きたと3日付エスタード紙やG1サイトなどが報じた。
2日の地理統計院(IBGE)発表によると、4月の工業生産は3月比1・2%、昨年4月比で7・6%低下した。前年同月比での低下は14カ月連続で、1~4月の生産低下も昨年同期比の6・3%に及んだ。
1~4月は所得の伸び悩みや雇用減、インフレ昂進に伴う家庭消費縮小が食品や衣類などの非、半耐久消費財にも及び、工業生産の更なる低下を招いた。同時期に家庭消費が急減したのは個人の懐具合を端的に表す非、半耐久消費財で、食品や飲料、衣類、靴、清掃・化粧・衛生用品などの消費も低下。メーカーも生産調整を行ったため、同時期の非、半耐久消費財生産は14年9~12月比0・6%、昨年同期比6・3%低下した。
専門家が懸念を示すのは消費低下が起きにくい清掃・化粧・衛生用品の消費も落ち込んだ事で、衛生用品は4月の生産が3月比3・3%低下。1~4月も昨年同期比3・8%減産となった。1~4月の生産低下は、食品3・4%、飲料6・9%、繊維3・1%、衣類・服飾品13・6%、石油化学製品8・9%、医薬品19・8%など、全分野に及んでいる。
市場関係者の間では、過去12カ月間の工業生産は09年12月以来となる4・8%の落ち込みを見せたが、今後はより小幅な低下か回復を見せると予想している。パリ滞在中のレヴィ財相は、現在のドル高レアル安は工業界には追い風で「ブラジルは工業生産のページをめくる」と予告した。
タグ:自動車