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遺産目当てに夫を殺害?=愛人がムショ帰りの男雇う

 サンパウロ市南部ブルックリン区で1日、企業役員のルイス・エドゥアルド・デ・アウメイダ・バレット氏(49)が殺害された事件で、警察が3日、未亡人のエリアナ・アレコ・バレット(46)と愛人のマルコス・ファビオ・ゼイツンシアン(46)両容疑者を逮捕した。
 ルイス氏とエリアナ容疑者は30年寄り添い、15歳と17歳の息子と共にサンパウロ州内陸部のアパレシーダに住んでいた。ルイス氏は今年はサンパウロ市内で働いており、エリアナ容疑者はグアラチンゲター市の私立高校でポルトガル語を教えていた。
 エリアナ容疑者とマルコス容疑者は13年前に知り合い、2年前に再び出会った。マルコス容疑者はサンパウロ市南部サントアマロにあるショッピングセンターの警備員だが、2人はこの時から愛人関係となり、エリアナ容疑者の授業の合間に会っていたという。
 警察によれば、エリアナ容疑者は約1年前からルイス氏殺害を計画していた。計画実施は、5月7日に刑務所を出たエリエゼル・アラウージョ容疑者にマルコス容疑者がルイス氏殺害を依頼した事で具体化した。
 エリアナ容疑者は銀行から7千レアルを借り、マルコス容疑者の口座に振り込んだ。マルコス容疑者は、エリエゼル容疑者に3千レアルで殺害を依頼した。エリアナ容疑者はルイス氏の遺産と50万レアルの保険金を目当てにしていたとされ、保険金が下りたらマルコス容疑者のためにグアラチンゲター市内に店を出す予定だったという。
 ルイス氏の殺害は1日午後2時半頃で、会社の同僚と昼食から戻ってきたルイス氏を待ち構えていたマルコス、エリエゼルの両容疑者は、ルイス氏らを囲み、携帯電話や財布を取り上げた後、ルイス氏の同僚に立ち去るよう命じた。エリエゼル容疑者は同僚が立ち去るや否や、ルイス氏に3発を浴びせると、直ちに現場を立ち去ったが、目撃証言などから都電(CPTM)のベリニ駅付近で捕まった。
 同容疑者は逮捕された時、38口径の回転銃と被害者2人の所持品を携行していた。警察は同容疑者の携帯電話にルイス氏の写真が送られていた事などから、殺害を命じた人物がいると判断。現場付近の防犯カメラの映像などから、同容疑者と共に現場まで来て、ルイス氏を指し示したのがマルコス容疑者であった事を突き止めた。
 警察はその後、マルコス容疑者のフェイスブック上の友人の一人がエリアナ容疑者だった事を知り、エリアナ容疑者に事情聴取を要請。父親と義兄に伴われて警察に出頭したエリアナ容疑者が犯行を自供したため、逮捕した。マルコス容疑者は市北部サンターナにあるアパートに居たところで逮捕されたという。
 エリアナ、マルコスの両容疑者は殺人罪、エリエゼル容疑者については殺人と強盗の罪で起訴された。エリアナ容疑者逮捕の報は市民や元生徒達の間でも驚きをもって受け止められている。(5日付G1サイトなどより)