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超耐性菌対策を発表するジョアン・バチスタ・デ・ソウザ連邦直轄区保健局長(Valter Campanato/Agência Brasil)
超耐性菌対策を発表するジョアン・バチスタ・デ・ソウザ連邦直轄区保健局長(Valter Campanato/Agência Brasil)

連邦直轄区が対策発表=超耐性菌の脅威が広がり

 連邦直轄区保健局が9日、大半の抗生物質に対する耐性を持ったバクテリア(超耐性菌)による院内感染の拡大を防止するための対策を発表したと同日付フォトス・プブリカスが報じた。
 連邦直轄区ではタグアチンガ市の病院で4人が死亡した他、サンタマリア、グアラー両市の病院とソブラジーニョ市の救急医療施設(UPA)で耐性菌保持者や患者の発生が確認され、KPC、enterecoco、acinetobacterの3種類の超耐性菌が検出されている。
 超耐性菌保持者や患者は国家衛生監督庁(Anvisa)の指示に従って隔離されており、UPAの患者も同市の病院で隔離中だ。5月28日~6月5日には28人の患者で超耐性菌保持または感染が確認されたが、8日現在隔離されている人は、タグアチンガ3人など計8人に減った。少なくとも2人は重体だ。
 超耐性菌保持者は病院外にもおり、慢性病患者や免疫能力が低下した人が超耐性菌感染者と接触したり、体内にいた菌が何らかの理由で活性化したりして炎症を起こす。通常の抗生物質で抑えられない院内感染は通常、入院患者の免疫能力や体力が低下しているために起きるが、最も効果的な感染防止策はアルコールや石鹸を使った手の洗浄だ。超耐性菌はベッドの柵やカルテ用ファイル、シーツなどの表面に長時間潜み得るため、清掃や消毒、手袋やマスクなどの使用徹底も不可欠だ。
 連邦直轄区の公立病院では、病床数や医薬品の不足、衛生管理基準が遵守されていないなどの問題が指摘されており、医用機器や医薬品の拡充、超耐性菌保持者や患者に接するスタッフの訓練などが課題だという。
 超耐性菌は海水中からも発見されており、他州での患者発生例もある。