2014年に救出された奴隷労働の被害者は半数以上が30歳を越えており、文盲の若者が多かった2007年と様相が異なることが判った。
07年に救出された奴隷労働者は5610人で97%が男性、1回に1千人以上の先住民が救出された事もあった。同年は29歳以下が56%、文盲の人も44%いた。
一方、14年に救出された奴隷労働者は1440人で、29歳以下の人は46%、文盲の人は14%に減ったが、女性の割合は10%に増えた。
救出された人達の学歴は、文盲13・7%、基礎教育5年までに中退50・4%、5年卒業7・3%、6~9年生の時に中退11・7%、基礎教育(小・中課程)は卒業4・9%、高校中退5・9%、高校卒5・6%、大学中退03%、大学卒0・1%だった。
小学校も終わってない人が半数以上だから、低学歴の人ほど奴隷労働の被害に遭い易いといえるが、ポルトガル語と英語にイタリア語、スペイン語、日本語も話せ、豪華客船で働くという夢を追って大学を中退、MSCクルゼイロスの船で客室整備の仕事をしていたアンデルソン・マツウラさん(34)のような例もある。
マツウラさんは同じ船で働いていた24歳で大学中退のレチッシアさんと結婚したが、船の中ではろくな食事も与えられず、2日間で36時間働かされたが勤務表には嘘の記述を強いられるなど、過酷な労働を強いられ、3カ月で体重が14キロも減ったという。
救出から1年以上経った今、マツウラさんはセアラ州フォルタレーザで情報処理関係の仕事をしているが、大学を中退して船で働いた事は無駄ではなかったし、後悔もしていないが、MSCは多くの雇用も創出しているのだから、従業員はもっと人間らしく扱うべきだとした上、今後は大学で法学を勉強したいと語っている。(11日付G1サイトより)
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