ブラジルの辺境に開拓を挑んだ南米産業開発青年隊員326人全員が着伯50余年を迎えたことから、同青年隊協会(渡邉進会長、会員150人)がこのほど記念誌『それぞれの50年』(360頁、80レアル)を刊行した。約50人の隊員の手記が中心。5年の歳月を経て完成した。
同制度は1956年に始まった。隊員らはパラナ州ウムアラーマの訓練所で自給自足の生活を送りながら生活習慣や技術を身につけ、移住地や農地の開拓に携わった。
本誌は同会3冊目の記念誌。編纂に携わった隊員3人が中途で他界したため、延期を余儀なくされた。盆子原国彦・編纂委員長は「寄稿してくれた人から『俺が生きてる間に出してくれよ』と言われていた。無事に刊行されて良かった」と完成を喜んだ。
隊員や関係者による書き下ろしと、20年近く続く会報『南青協便り』からの抜粋記事、座談会などを収録。隊員の生き様に焦点を当てた一冊となった。七期生の故・畠山喜美さんが描いたパラナ訓練所の原風景が表紙を飾っている。
発行部数は300冊。購入希望者は渡邉会長(11・3731・6950)まで。