連邦会計検査院(TCU)が17日、連邦政府が支払うべき社会政策関連経費を公的銀行が支払い、基礎的収支上は隠れた負債とする「ペダラーダ・フィスカル(粉飾会計)」を含む、2014年の会計報告の監査結果を審議する。場合によっては、連邦政府は公的銀行に240億レアルの返金を迫られる可能性もある。16日付伯字紙が報じている。
連邦政府がボウサ・ファミリア、ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダ、失業保険、農業支援費などの社会政策費の必要額をブラジル銀行(BB)や連邦貯蓄銀行(CAIXA)などの公的銀行に支払わず、これらの銀行が自己資金で受給者への支払いを行っていた事実は昨年の8月に発覚した。これを問題視したTCUは今年の4月15日、満場一致で「財政責任法(LRF)に違反している」との見解を出していた。
そして今日、TCUは2014年の連邦政府の会計報告が適正であるか否かを判断するが、政府にとっての見通しは明るくない。13日付エスタード紙によると、2014年分の会計で、政府が粉飾会計によってごまかした額は371億レアルにも上るという。
また16日付フォーリャ紙によると、政府は昨年、基礎的財政収支は1180億レアルの黒字と報告していたが、実際には1400億レアルの赤字だったという。
TCUによると、政府が認めていない短期的な負債は2560億レアルで、その理由となっているのが、状況を楽観視したりしたことによる歳入の見込み違いだという。連邦政府の歳入が見込みを下回った額は、12年671億レアル、13年743億レアル、14年1101億レアルで、その合計は約2510億レアルとなる。
実際以上に状況を楽観視した上、景気の冷え込みによる税収減などで生じた公的銀行(BB、BNDES)に対する負債の245億レアル分は、今日のTCUの判断で支払いが迫られる可能性があると16日付エスタード紙は報じている。政府は第1四半期の時点でBBに127億レアル、BNDESに88億レアル(どちらも昨年中の負債)の返済義務があったのに加え、15年になって負債額がさらに50億レアル増えた。政府は4月までにBNDESに20億レアルの返金を行ったが、それでもまだ2行合計で245億レアルの返済が必要となる。
これに対し、連邦政府側は終始、粉飾会計の疑惑を否定しており、「LRFには則っている」「同じことはカルドーゾ政権でもやっていた」と反論し続けている。
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