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支持母体か国庫の負担か=年金法案裁可の期日迫る=決断迫られるジウマ大統領

 カルロス・ガバス社会福祉相は15日、財政調整のために政府が出した暫定令(MP)664の修正案として加筆され、上下両院を通過した年金関連の「85/95案」をジルマ大統領が裁可する可能性は低いという見通しを示したと16日付伯字各紙が報じた。
 「85/95案」は年齢と年金支払い期間を合計した年数が、女性は85、男性は95になれば年金の満額受給を認めるというもので、連邦政府はこの数字を段階的に引き上げ、90/100とすることなどを検討している。これは、現行法同様に、早すぎる退職に歯止めをかけるためだ。
 同相は、昨日開催された労働組合リーダーとの会議で、議会が承認した「85/95案」は「国の社会保障政策を破壊しかねない」と述べた。
 「85/95案」によれば、現PT政権の任期である18年までは120億レアルの国庫負担減が見込まれるが、その後の社会保障費は上昇に転じ、2060年まででは32億レアル(13年のGDP国内総生産のほぼ半額)の負担増となる。
 ジウマ大統領は17日までに、議会が採択した「85/95案」を裁可するか、拒否するかを決めなくてはならない。
 15日に各大臣が繰り返し語ったのは、「ジウマ大統領はまだ拒否権を行使するかどうかの最終決断を下していない」ということだけだったが、「若干、拒否権行使寄りに傾いている」との見方が強かったようだ。
 15日に開かれた中央労働組合と政府との間の会合は2時間に及び、終始、緊張した雰囲気が続いた。組合リーダーたちは会合後、「85/95案」承認以外の代替案は受け入れられないとの態度を改めて示した。
 「政府は何の代替案も示さなかった。我々の意見は知りたがったくせに自らの考えは何も示さなかった」とCUTのヴァギネル・フレイタス会長は不満を露にした。
 「私たちはジウマ大統領の決断の如何に関わらず、組合側との対話を続ける意向でいる。実際には大統領はまだ最終決断を下していない」とガバス社会福祉相は述べた。