ピアウイ州北部のカステロ・ド・ピアウイ市で5月27日に起きた少女4人の集団暴行・強姦事件は、3週間後の今も、住民達の暮らしに重い影を投げかけている。
15歳、16歳各1人と17歳2人の4人の少女が、40歳の男性1人と15~17歳の少年4人に襲われ、気を失うまで殴る、蹴る、ナイフで体を傷つけるといった暴行を受けた上、輪姦された後に高さ10メートルの崖から投げ落とされるという事件はそれだけで、ブラジル全体を震撼とさせるに十分だった。
だが、検察局の起訴状などによると、アダン・ジョゼ・シウヴァ・ソウザ被告(40)は、少年達を指示して暴行などを行わせた上、崖の上から投げ落とされた少女達がまだ動いているようだったら、頭に石を投げつけろと命じたという。
7日に亡くなったダニエレ・フェイトーザさん(17)が顔面の陥没骨折を起こしていたのと、現在も集中治療室に入院中で、発話や相手の話す事を理解するのに不自由さを覚えている17歳の少女が脳の一部損失を起こすほどの重傷を負ったのは、崖から投げ落とされた時か、その後の投石による怪我であった可能性が強い。
アダン被告の陪審裁判や4人の少年の裁判はまだだが、ダニエレさんや他の2人の被害者と共に学んでいたフランシスコ・サレス・マルチンス校3年のクラスメート達は、今も事件を思い出しては涙し、せめて教室を取り替えて欲しいとか、別のクラスに編入させた欲しいと願い出た。
ダニエレさん達がいつも集まり、笑ったりしゃべったりしていた階段も、「思い出すとつらくなる」として遠ざかる生徒が数多くいる。
成績も良く、明るくて皆に好かれていたダニエレさんが二度と帰らぬ人となった事は、遺族やクラスメート、町の人々に更に深く、容易には消えない心の傷を残した。
また、学校への行き帰りも子供達だけでは不安と感じ、校門まで連れて来て迎えにも来る親が増えた。少女達が通っていた学校には事件直後から、服喪を意味する「LUTO」と書かれた看板が掲げられている。
起訴された少年達4人の内2人は犯行を自供したと報じられているが、4人の内3人の親達は、「子供達は警官に殴られたりして自供した」「麻薬などに手を出していたのは確かだが、こんな重犯罪を犯すような子供ではない」として、無罪を主張しているという。
町の人々は、15歳2人、16歳と17歳各1人の4人の少年とアダン被告を「怪物」と呼び、恐れているが、その一方で、親や生徒が恐怖や痛みを乗り越えられる事を願っての講演会や父兄の集いといった試みも始まっている。(13、14日付フォーリャ紙、18日付G1サイトより)