16日午後、サンパウロ市コンゴーニャス空港からグアルーリョス市クンビッカ空港に向かうTAM社の連結バスで強盗事件が起き、乗客らが恐怖の一時を過ごしたと18日付フォーリャ紙が報じた。
コンゴーニャス空港から乗り込んだ黒い背広の4人組が、「強盗だ」と名乗りを上げたのは午後3時40分頃。後部座席にいた一人がトイレに入り、もう一人が扉を叩くと、前部座席にいた男が「強盗だ」と叫ぶ。4人目の男はこの時点で運転手を制圧していた。
走り続けるバスの中、武装した男達は窓のカーテンを閉めさせ、「2台の車がついてきている」「機関銃や小銃で皆殺しにする」などと脅し、財布や携帯電話、身分証明書などを通路に投げるよう指示した。
通路に投げ出された金品は、犯人の一人がカバンに集めた。犯人達はクンビッカ空港に近いエリオ・シュミッツ道でバスを降り、後続の車に分乗して逃げ去ったという。
被害に遭ったのは運転手と乗客計31人で、乗客の一人は顔を殴られ、別の乗客も武器を頭に突きつけられたりしたが、それ以外には怪我などの記載はない。持ち去られたのは現金3185レアルなどだが、荷台に入れた荷物は無傷だった。
乗客の証言によると、男達はコンゴーニャス空港の連結バス乗り場にあるコンクリートの椅子に座っており、運転手が荷台にしまう荷物を受け取り始めるのを見て、順番待ちの列に入った。乗客はチケットだけ見せて乗り込んだといい、身分証明書などの提示は求められなかったし、TAM社の対応も「連結バスは外部業者の責任」というのみで不親切だったと証言している。
TAMはバス利用には支払い証明か搭乗者カードの提示が必要とした上で、「被害者には最善を尽くした」と弁明した。