18日、昨年の大統領選をジウマ大統領と争ったアエシオ・ネーヴェス上議(民主社会党・PSDB)らの上院使節団がベネズエラで、ニコラス・マドゥーロ大統領を支持する左派勢力の妨害行為にあい、目的としていた同国の反政府派の政治家たちへの面会を果たせず帰国した。ブラジル外務省は同件に遺憾の意を表明している。19日付伯字紙が報じている。
一団はアエシオ氏と、昨年の大統領選では同氏の副候補で現在は上院の外交委員会委員長のアロイージオ・ヌーネス上議(PSDB)をリーダーとする、8人の議員で構成されていた。一団はこの日、ブラジル空軍機で首都カラカスから40キロほどのシモン・ボリバル空港に降り立ち、そこから反マドゥーロ派の重要政治家や、政治犯として捕まった政治家の親族などと面会する予定だった。
面会予定者の筆頭は、昨年2月にベネズエラ政府が反マドゥーロ派の急先鋒と見て逮捕したレオポルド・ロペス氏だ。同氏逮捕は不当なものとして、国連も同国政府に警告を与えていた。同氏は現在、カラカスから45キロ離れたラモ・ヴェルデ監獄に収容され、5月24日からハンガー・ストライキを行っている。
その他にも、同国最大の野党連合で、大統領選でマドゥーロ氏に敗れたエンリケ・カプリレス氏を擁する民主連合会議(MUD)の主要人物たちとの会食や、「テロを起こそうとした」として今年2月に逮捕令状もなく逮捕され、現在軟禁中のカラカス市長、アントニオ・レデズマ氏との面会も試みていた。
しかし、一団は空港を降りたときから同国兵士に一部始終を録画され、滑走路でマイクロバスに乗りこんだ上、運転手に警備隊をふり切って空港ロビーに向かうよう要請する必要があった。空港ロビーでは逮捕されている政治家の妻たちや野党下議のマリア・コリナ・マシャード氏と会い、全員が一緒にマイクロバスに乗り込んだ。
だが、空港の出口で、コロンビアから犯罪者が強制送還されたことやトンネル内の清掃、事故などで生じた渋滞に乗じたチャベス派の民衆がバスを取り囲み、側面をたたきながら「チャベスはまだ生きている」と叫び、果物などを投げつけた。
6時間経ってもカラカス市内に入れなかったため、一団は予定遂行をあきらめ、19日未明にブラジリアに帰着した。
ロペス氏の妻には同国副大統領から、トンネルの清掃は同国政府の差し金と思わせるメッセージが送られたりしており、アエシオ氏は「これは外交上、重要な問題だ」として、ベネズエラ民衆の行為を批判した。ブラジル外務省も18日夜、「嘆かわしく受け入れがたい」と遺憾の意を表明した。
マドゥーロ大統領はチャベス前大統領の後継者だが、経済崩壊と圧政により、支持率が22%にまで落ち込んでいる。
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