粉飾会計が問題視されている連邦政府の会計実態だが、昨年8月にそれが指摘されたにもかかわらず、国庫の公共銀行からの負債がむしろ増えていると22日付フォーリャ紙が報じている。
粉飾会計は、ブラジル銀行(BB)、連邦貯蓄銀行(CAIXA)、社会経済開発銀行(BNDES)に対し、国が支払うべき社会福祉関連の費用や、事業投資などのために低金利で貸し出す融資向けの補助金の支払いを遅れたままにして、基礎的財政収支が黒字であるかのように帳尻をあわせたものだ。
フォーリャ紙は、13年と14年の7月と12月、15年3月の5期の公的銀行3行に対する負債額をグラフにして掲載しているが、BBとBNDESへの負債額はいずれも増え続け、14年12月現在のBBへの負債は147億レアル、BNDESへも262億レアルに膨れ上がった。前者は農業系の貸付、後者は大手企業への投資維持プログラムなどに使われたものだ。
ボルサ・ファミリアや失業保険などのためにCAIXAが自己資金から払い出した金額は、14年7月の54億レアルをピークに23億レアルに下がったが、15年3月には26億レアルに増えている。
15年1~3月の負債額はCAIXAで3億レアル、BBで18億レアル、計21億レアル増えた計算となる。15年3月現在のBNDESへの負債額は出ていないが、連邦政府関係者によると負債額は増えているはずだという。
なお、BNDESへの負債に関しては12年、当時のギド・マンテガ財務相と財務省ナンバー2だったネルソン・バルボーザ現企画相の連名で、連邦政府からの返還を最低2年間遅らせてもよいとの合意が発表された。この間の負債は政府会計には計上されなくても、銀行側の収支には負債として計上される。この期間は状況次第で延長可能だが、連邦会計検査院(TCU)は、この操作は公的銀行から政府への貸付に当たり、違憲と見ている。
14年7月現在の勤務年限保障基金(FGTS)に対する負債は18億レアルだったが、そのほかに未払いの罰金が100億レアルあり、財務省は14年末に罰金分を支払うことを約束した。だが、ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィーダに関する負債の70億レアル分の支払いは未解決のままだ。
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