サンパウロ市にはゴミの不法投棄所が3345カ所あり、その多く(66%)は非合法の工事廃棄物運搬会社の不法投棄所だという。一向に収まらない現状改善にサンパウロ市役所が始めた取り組みを23日付フォーリャ紙が報じた。
ゴミの運搬、廃棄をする際、運搬会社はサンパウロ市清掃当局(Amlurb)への登録と、指定の場所で投棄するゴミを明示することが必要になる。
サンパウロ市には工事廃棄物を受け入れる公共のエコポントが83カ所あり、瓦礫などを1トンまで受け入れる。それを超える量は3カ所の私営埋立地に運ばれる。引き取り料金は1トンあたり17レアルで、市も1トン当たり10レアルの補助金を埋立地に払っている。
サンパウロ市では現在、119の非合法廃棄物運送会社が活動している。358社は合法だが、これらの会社も経費節約のために不適切な場所に投棄することがある。不法投棄の罰金は最高1万6千レアルまでで、サンパウロ市清掃当局は14年に707件の罰金を科した。
不法投棄の行われている場所は市内いたる所にある。南部イピランガ区では建築廃材と家庭のゴミが一緒になっており、北部のフレゲジア・ド・オー区では、レンガやセメント、ペンキ缶が不法投棄場に堆積している。
シモン・ペドロ公共サービス局長は「現在のサンパウロ市のゴミ収集サービスには不備があり、違反を監視し切れていない」ことを認めており、フェルナンド・ハダジ市長(PT・労働者党)は今週、新しいゴミ廃棄許可システムを発表した。
サンパウロ市はこれまで、積んでいるゴミを埋立地で処分することを認める証明書を手作業で発行していたが、これに替わり、電子式の廃棄物輸送証明書(CTR)を発行する。CTRはインターネットで申請、ダウンロードできるが、運送会社や配送人が新しいCTRを獲得するには、その前に取った許可が正しい方法で履行されたことがシステムに登録されていなければならない。また埋立地が補助金を獲得するには、運送業者からゴミを受け取ったことを証明する必要がある。工事業者も申請番号で、ごみが正しい場所に捨てられたかを追跡することができる。
不法投棄の取締り官は20人しかいないため、サンパウロ市は今年中に採用試験を行うことも公約した。