ラヴァ・ジャット作戦の仕掛け人のひとり、パウロ・ロベルト・コスタ被告が23日、連邦警察に最新の供述を行い、19日に逮捕された建設大手のオデブレヒト元理事のアレッシャンドリノ・アレンカール容疑者が、子会社のブラスケンを通して年間500万ドルの贈賄を行っていたことを明かした。24日付エスタード紙が報じている。
ブラスケンはオデブレヒト・グループとペトロブラスが共同出資者している石油化学系企業で、ラ米最大の事業規模を誇る。アレンカール容疑者は02年から07年までブラスケンで勤務した後にオデブレヒト・ホールディングに異動になり、22日夜に免職になるまで同社の企業間調整理事をつとめていた。
コスタ被告の供述によると、同被告がペトロブラスの供給部長だったころ、アレンカール容疑者とジョゼ・ジャネネ下議(進歩党・PP、2010年に死去)はサンパウロ市のホテルで贈賄の交渉を行っていたという。支払いは供給部へのものだが、その一部はPPやコスタ被告、ラヴァ・ジャット主犯の闇ブローカー、アルベルト・ユセフ被告に支払われていた。
コスタ被告によると、贈賄は06年から12年に行われ、年間500万ドルがペトロブラスに支払われていた。
コスタ被告への賄賂は1%で、スイス在住のベルナルド・フレイブルガウス氏なる人物を介し、スイスの銀行口座に入金されていたという。フレイブルガウス氏は国外での仕掛け人で、その名前は少なくとも3人の供述に出てきている。
アレンカール容疑者はジャネネ下議とコスタ被告との会合にはユセフ被告やジョアン・ピゾラッティ元下議の右腕の男性も参加したことや、ユセフ被告のかばん持ちとされているラファエル・アングロ・ロペス容疑者とも社内で4、5度会ったことを認めているが、自分が扱った金は、賄賂ではなく、選挙献金だったと主張している。同容疑者は13年にルーラ前大統領と共に北米、中米を専用機で旅行したこともあり、その点でも注目されている。
同容疑者は23日にオデブレヒトに辞任を申し入れ、同社もそれを受け入れた。同容疑者は5日間の一時逮捕だったが、パラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事が拘束延長命令を出している。
19日に社長や役員が逮捕されたことを受け、信用格付会社のスタンダード&プアーズは24日、オデブレヒト・エンジェニャリア・エ・コンストルソンとオデブレヒト・ファイナンスの信用格付をBBBからBBBマイナスに落とした。
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