来年の五輪開幕まであと400日あまりに迫ったリオ市では、犯罪発生件数の増加が五輪警備班の間で悩みの種になっていると24日付フォーリャ紙が報じた。
リオ市で暴力犯罪発生率の高さにも関わらず、現時点で想定されているリオ五輪警備のための警官や軍の動員数は、前回ロンドン五輪を下回る。
フォーリャ紙の調査によると、ロンドン五輪が4万2千人の警備体制だったのに対し、現時点でのリオ五輪の警備体制は3万人に過ぎない。
リオ州政府によると、リオ州では15分おきに4人が強盗被害に遭っている。「明らかに懸念材料だ。ネガティブなことがあるとすぐに『五輪は大丈夫か』という話になる。市内の観光地の警備を強化しなくては」と、連邦政府の大型イベント特別局のアンドレイ・ロドリゲス局長は語った。
関係各局は開会式、閉会式、サッカー決勝などのある日を重点警備の日とし、3万人を動員する計画だが、大会期間中のリオ市の治安状況は常時チェックされることになっており、動員数変更の可能性がある。
大会組織委は市内の警備方法の刷新も計画している。昨年のW杯やロンドン五輪でみられたように軍や警察が威圧的に存在を誇示する替わり、私服警官が群衆に紛れて警備を行う。
合言葉は「視覚に入らず、でも近くで」で、いつでも行動を起こせるよう準備するという。ロンドン五輪では会場の警備隊は皆制服を着ていた。
五輪警備計画マニュアルには、警備は咄嗟の事故、特に競技場内で起きた事故に対してすばやく対応し、観客の被害を最小限にとどめなくてはならないとある。
慎重な警備方針は、殺傷能力のない武器を優先的に使い、エックス線検査を活用する見込みだ。会場に入る車両、観客は金属探知機を通ることが義務付けられる。
五輪組織委の他、リオ市、リオ州、連邦政府の代表も含めた警備担当グループは、サイバー攻撃や観客誘導、市内交通など、六つの懸念を指摘した。「潜在的脅威」としては、テロ行為、犯罪増加、デモが具体的な項目として挙げられている。