最近、日本文化の一つとして「弁当」を紹介するポ語サイトを度々見かけるようになった。今年はサンパウロ市で可愛いキャラクターをあしらった「キャラ弁」のワークショップまで開かれ、新たな和食文化として弁当が注目を浴びつつあるようだ。「寿司・刺身、焼きそば」という定番日本食が定着し、日本食店数も飽和状態を迎えたことで、目新しいものを求める動きが出てきたのかもしれない▼今月はエスタドンやEXAMEが、日系人アナ・バラヴェリさん(45)が始めた弁当宅配サービスを特集していた。友人に頼まれて作ったのがきっかけで需要を見出し、注文制で週に2度、一個38レアルでヴィラ・マダレーナやイジエノーポリスなど一部の地区に配達しているという▼サンパウロ市にはすでに弁当宅配サービスを行う飲食店があるが、彼女の弁当は日本から取り寄せた重箱弁当に8割方は野菜を詰めた健康志向で、食材の色バランスや配置にも配慮されていて目にも美しい。弁当本来の目的である「利便性」は備えていても、和食の「外観美」や「季節感」に乏しい当地の弁当とは一線を画しており、コラム子も思わず食欲がそそられ、試してみたい気分になった▼それが、美を追求する和食への関心と理解の深まり、健康志向、そして多忙なサンパウロ市住民の生活スタイルに合致したということだろう。アニメや漫画の影響も受けて海外で「BENTO」として知られる弁当だが、これから当地でも富裕層を中心に浸透し始めるかもしれない。日本祭りでポップカルチャーを一つの売りにするのなら、郷土料理コーナーで一手間かけた「カワイイ弁当」を出してみてはどうだろう? (阿)
アナさんの弁当写真はインスタグラム(https://instagram.com/popooyo/)から見ることができる。注文、問い合わせはメール(anabaravelli@gmail.com)で受け付けている。