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リカルド・ボエシャ(Rafamaxpires)
リカルド・ボエシャ(Rafamaxpires)

キャスターが宗教家に逆上=自身への攻撃に生放送で反撃

 バンデイランテス局のニュースキャスター、リカルド・ボエシャは、ブラジルのテレビでもおなじみのお茶の間の顔だが、一見穏やかに見える彼が19日、ラジオの生放送で物議をかもす発言を行った。
 ボエシャはこの日の朝のニュースで、ブラジル国内のキリスト教ペンテコステ派のリーダー、シラス・マラファイア氏に対し、怒りの暴言をぶちまけ、罵倒した。
 これには伏線があった。17日にボエシャは同ニュース番組で、リオで民間信仰の「カンドンブレ」の信者の12歳の少女が、ペンタコステ派の信者からその信仰を批判され、頭に石まで投げられた話を伝えた。これに対しボエシャは、この事件はペンタコステ派の牧師たちが信徒をあおった末に起きたことだと伝え、他者の信仰に不寛容な同派に対し、厳しい口調で語っていた。
 だが、これを知ったマラファイア氏は19日9時51分に、「ボエシャに告ぐ。牧師が信徒に不寛容であることを説いているだと。馬鹿を言うのもいい加減にしろ」とツイートした。同氏はその前のツイートで、少女の件に触れながら、「いかなる暴力にも反対だ」と語ってもいた。
 マラファイア氏はさらに、9時56分のツイートで「ボエシャよ、私と生の議論で戦え。ラジオ番組で一方的に的外れなことをいうのは簡単だ。一人でがなって、憎しみをばら撒くのはやめろ」と書いた。
 そのツイートを知ったボエシャはマラファイア氏に向け、同氏の有名な趣味にちなんで「ハトでも狩りに行ってろ」と罵った。
 さらにボエシャは止まらず「黙らせようたってそうはいかない。この傲慢な愚か者。信者からお布施を取って、他人の信仰をつぶす野郎め。今、私が言ったことで訴訟でも起こす気だろうが、そうはいかないぞ」と続けざまに語った。
 さらにボエシャは、マラファイア氏がかねてから指摘されている同性愛嫌悪について批判し、さらに「信者から金をまきあげている」と再度批判した。
 マラファイア氏はこの発言を不快に感じ、その後、バンデイランテス局のジョニー・サード会長に電話を入れて話し合いを持つよう頼んだ。同局はマラファイア氏の宗教番組を放送している局でもある。
 マラファイア氏はブラジルで3番目に影響力の大きな宗教家として知られ、2010年、14年の大統領選挙では民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ氏、アエシオ・ネーヴェス氏への支持を表明、信者の票の行方にも影響を与えたとされている。
 ボエシャは現在、ブエノスアイレスでのイベントでバンデイランテス・グループ代表として参加し、講演などを行っているため、ラジオ放送は行っていないが、「マラファイア氏の論争に水をさすためか」との問いに、バンデイランテス局関係者は、「イベント参加は論争が始まる前から予定されていたもので、近日中にラジオでの勤務に戻る」と返答している(19、21日付レヴィスタ・フォールン電子版より)