ラヴァ・ジャット作戦で19日に逮捕された建築大手オデブレヒト社長のマルセロ・オデブレヒト容疑者が弁護士宛に書いたメモに書かれた言葉が、連邦警察の間で「証拠隠滅を図ったのではないか」として物議をかもしている。24日付伯字紙が報じている。
マルセロ容疑者は逮捕された19日に連邦警察署内で、担当弁護士のドラ・カヴァルカンチ氏とロドリゴ・サンチェス・リオス氏宛てのメモを書き送ったが、その中には「石油採掘船に関するメールは消してくれ」と書かれていた。
これを目撃した連警は、これを2011年に、オデブレヒトとペトロブラスが共同出資している石油化学系企業のブラスケン役員だったロベルト・プリスコ・ラモス氏からマルセロ容疑者ほか3名に宛てられた、採掘船の契約に関するメールのことではないかと判断した。「ほか3名」のうち2人は、やはり19日に逮捕されている。メモに書かれた「消してくれ」の横にはラモス氏のイニシャルの「RR」が書かれている。
11年のメールには、採掘船のオペーレション契約で、1隻につき2万~2万5千米ドル/日の水増しをすることに話し合ったと書かれていた。オデブレヒト側はこれを「採掘船が1日に稼ぐ収入」のこととしている。オデブレヒトが共同出資しているエンセアダ造船所は、ペトロブラスが創設したセッテ・ブラジルから採掘船6隻の建造と運営を請け負っている。
オデブレヒトは既に、関連企業のパナマやウルグアイでの事業に関し、ラヴァ・ジャットの主犯格で当時いずれもペトロブラス役員だったパウロ・ロベルト・コスタ、レナト・ドゥケ、ペドロ・バルスコといった被告に対する贈賄の疑いが持たれている。また、今回のマルセロ容疑者のメモにもバルスコ被告の名前が書かれている。
これを受け、エドゥアルド・マウアット・ダ・シウヴァ連警警部は24日、マルセロ容疑者のメモのコピーなどを添え、5日以内にラモス氏からのメールを全て提出するようオデブレヒト社に命じるよう、同件を担当するパラナ連邦地裁のモロ判事に要求した。