連邦警察の「アクロニモ作戦」に関し、連邦高等裁判所は25日にミナス・ジェライス州知事のフェルナンド・ピメンテル知事(労働者党・PT)に対する捜査の許可を出した。これで、ラヴァ・ジャット作戦以外の件でもPTの重要政治家に捜査が及びはじめた。26日付伯字紙が報じている。
高等裁のエルマン・ベンジャミン判事は、連警が先週申請した、ピメンテル氏の関与が疑われる汚職疑惑に関する捜査を許可した。許可が下りたのは、同氏自身や周辺の人物に関連する、連邦直轄区とミナス、サンパウロ州、リオの3州、19カ所の家宅捜査だ。この中にはミナス州庁や知事官邸は含まれていない。
今回の捜査で連警が疑っているのは、ピメンテル氏の資金洗浄や私有財産もみ消しの疑惑だ。
それは同氏の妻で、5月29日の第1回アクロニモ作戦で家宅捜査の対象となった、ピメンテル氏の妻、カロリーナ氏所有のオリ・コムニカソン社とその関連企業が、2012年から14年にかけて、社会経済開発銀行(BNDES)とつながりのある企業から360万レアルの不審な金を受領したことが確認されたためだ。
ピメンテル氏は第1期ジウマ政権(2011~14年)で商工開発相をつとめていたため、BNDESともつながりが深い。同氏が大臣だった時期はオリの受領時期と重なっている。カロリーナ氏は当時、ピメンテル氏の下で働いていた。
また、連警はオリへ支払いを行った企業の一部が、BNDESとつながりがある食品大手のマルフリグとカジノであることをつきとめている。支払額は前者が52万5千レアル、後者が36万3千レアルだという。
また連警は、ピメンテル氏が昨年10月のミナス州知事選で大勝を収めた際、第1次アクロニモ作戦で資金洗浄の罪などで逮捕されたベネジト・ロドリゲス(通称ベネ)容疑者の企業、グラフィカ・ブラジルが同氏の選挙キャンペーンで実際に使った額の10%しか申請しておらず、340万部刷ったパンフレットの領収書5枚分の金額は選挙裁判所に提出された報告書に記載されていないことも指摘している。
同作戦はベネ容疑者らが選挙直後に、ベロ・オリゾンテ発ブラジリア着の飛行機の中に11万3千レアルの現金を隠していたのが発覚したことからはじまっている。
連警は25日午前7時から、ピメンテル夫婦の住むアパートから50メートルのベロ・オリゾンテ中南部セーラ地区オウロ通りにある、ピメンテル氏が選挙時に使っていた事務所などの家宅捜査を行い、コンピューターなどを押収した。