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「移民の日」を祝して=外務大臣 岸田文雄

岸田外務大臣 ブラジルにおいて「移民の日」を迎えるに当たり、日系社会の皆様に心からお慶び申し上げます。
 日本とブラジルの外交関係は1895年の日伯修好通商航海条約調印に始まり、日本人によるブラジル移住は1908年に開始されました。両国の歴史は、日本人による移民の歴史とも言えます。ブラジルの日系人の方々が、その不断の努力により幾多の苦難を乗り越え、今日に至るまで様々な分野で成功をおさめ、現地社会で信頼と評価を得られてきたことに、改めて敬意を表します。
 日系社会の皆様が現地で築き上げられた信頼と、人と人とのつながりに基づく両国の友好と相互理解が大きな支えとなり、政治、経済、文化など様々な分野において、日本とブラジルの関係強化は着実に進んできました。中南米地域の大国であるブラジルは、国際社会の多様な課題に対処する上で我が国の重要なパートナーであり、日系社会の皆様が築いてこられた信頼は、日本外交の資産と言えるでしょう。
 昨年8月、安倍内閣総理大臣はブラジルを公式訪問した際に、日系社会との関係を更に強化するため様々な施策を講じていく意向を示しました。これを受けて日本語教育の普及支援、JICA日系社会青年・シニアボランティアの増員、次世代日系人指導者招へい制度の拡充、日系社会次世代育成研修の増員、日系病院に対する支援として「日系社会ボランティア」の新たな派遣、「日系研修員の本邦研修」等の実施に向けて、全力で取り組んでおります。
 本年は、「日ブラジル外交関係樹立120周年」を迎える節目の年であり、両国関係を更に強化・深化するため、記念行事や交流事業を実施いたします。今月からブラジルの方々に対する短期滞在数次ビザの発給も開始されました。
 2015年をお互いの理解を一層深める年として、経済、文化、芸術など様々な分野で、日本とブラジルの交流を更に促進してまいります。日系社会の皆様におかれましては、引き続き御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 最後に、日系人の皆様の今後のますますの御活躍、ブラジルにおける日系社会の更なる御発展を心からお祈り申し上げます。