ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | LV作戦=裏金証言で、大統領府に激震=ペッソア被告報奨付供述行う=現官房長官も汚職関与疑惑=統一選の政治献金隠れ蓑
ペッソア被告の褒賞付供述で名前が挙がり、説明をするメルカダンテ官房長官(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)
ペッソア被告の褒賞付供述で名前が挙がり、説明をするメルカダンテ官房長官(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

LV作戦=裏金証言で、大統領府に激震=ペッソア被告報奨付供述行う=現官房長官も汚職関与疑惑=統一選の政治献金隠れ蓑

 ラヴァ・ジャット作戦で起訴された大手建設会社UTCのオーナー、リカルド・ペッソア被告が25日に連邦検察庁で行った報奨付の供述が26日付Veja誌で流れ、14年統一選挙でのジウマ大統領再選キャンペーンへの寄付などで新たな疑惑を引き起こし、ジウマ大統領(労働者党・PT)とPTに対する風当たりをより一層強めることになったと27日付伯字紙が報じた。

 ペトロブラスとの汚職計画に関わったとして逮捕され、自宅軟禁下にあるペッソア被告は、警察庁の勧告に応じ、減刑と引き換えに捜査に協力する報奨付の供述をすることを選択した。
 同被告は14年、ジウマ大統領への選挙献金として750万レアルを寄付した。同被告は、寄付を断り、ペトロブラスとの事業契約を失うことを恐れたという。この献金は、14年の大統領選の会計担当で、現社会通信局長官のエジーニョ・シウヴァ氏との会談で決められたという。
 ペッソア被告は他の政治家18人へも金を払っている。その中には、PT元中央会計のジョアン・ヴァッカリ・ネット氏への1500万レアル、10年の統一選時のジウマ陣営会計で、現在はフェルナンド・ハダジサンパウロ市長(PT)の下で総務局長を務めるジョゼ・デ・フィリッピ元下議への75万レアルなども含まれている。同被告は、ヴァッカリ、フィリッピ両氏への金は非合法な裏金だったという。
 ペッソア被告は、10年のサンパウロ州知事選でのPTのアロイジオ・メルカダンテ上議へも選挙献金を行っている。メルカダンテ氏は同年、選挙裁判所にUTCから25万レアルの献金受領と報告した。同氏は現ジウマ政権の官房長官で、ジウマ大統領の片腕的存在だ。
 その他にも、ルーラ前大統領には06年の大統領選を含む240万レアル、ハダジサンパウロ市市長へは選挙献金で240万レアルなど、献金や裏金などの形の金の動きがあったという。
 Veja誌の報道後、ジウマ大統領は、メルカダンテ、シウヴァ両氏とジョゼ・エドゥアルド・カルドーソ法務大臣を緊急招集して会合を持ったため、米国への訪問出立が予定より遅れた。
 同被告はアロイジオ・ヌネス(ブラジル社会党・PSB)、フェルナンド・コーロル(ブラジル労働党・PTB)、エジソン・ロボン(民主運動党・PMDB)各上議らにも献金しているが、皆、違法性を否定した。