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マリエッタ・セヴェーロ(Yanguas/wikipediaより)
マリエッタ・セヴェーロ(Yanguas/wikipediaより)

芸能人間でも政治論争=マリエッタが与党を熱烈擁護

 今日のブラジル国内では与党・労働者党(PT)の汚職が毎日のように報じられており、政府への不信感や不満を漏らす声も少なくない。そんな矢先に、先日、テレビ番組でこうした光景も見られた。
 テレビ界の最大手、グローボ局の夕方~夜の生放送の定番バラエティ番組「ドミンガン・ド・ファストン」に6月28日、ベテラン女優のマリエッタ・セヴェーロが出演した。それは、彼女が出演中の夜11時のノヴェーラ「ヴェルダーデス・セクレッタス」の番組宣伝のためだった。
 マリエッタは最初、出演ノヴェーラの見所、自身の役どころについて、普通に語っていたが、それが変わったのは、司会のファストンが現在のブラジルについて、「汚職などが相次ぎ、国のムードも悪く、『希望が持てない国』になった」と発言したときだ。
 マリエッタは即座にそれに反応し、「たしかに今は経済的には厳しいときかもしれない。でも、ブラジルはここ数年、多くの貧しい人たちが見捨てられずに社会に組み込まれ、より平等の世の中になったと思う」と持論を展開し、反論した。
 自分の出演目的を忘れて語りはじめたマリエッタは、この日、ブラジル国内のツイッターでもっとも話題の人物となった。
 もっとも、こうした光景はブラジル社会では十分起こりうる話だ。欧米諸国の芸能関係者には個人の自由や平等を主張するリベラルな立場を取る人が多いが、それはブラジルも例外ではない。そのため、芸能関係者には左翼政党のPT支持者が非常に多い。
 加えてマリエッタは、1966~99年と30年以上にわたり、ブラジル音楽界の大御所歌手、シコ・ブアルキの夫人として知られていた人物でもある。シコといえば、国内では誰もが知っているPT支持の有名人で、自身の妹のアナ・デ・オランダ氏がジウマ政権で文化相をつとめたほど懇意な間柄だ。元妻とて、それが例外ではないことは、この一件でも示されたといえる。
 現在、ジウマ政権の支持率は10%にまで落ち込み、一部では罷免を望む声が再びあがりはじめてもいる。今回のような議論がテレビの生放送で浮上する機会は今後も増えていくかもしれない。(6月29日付フォーリャ紙サイトより)