凶悪犯罪を起こした未成年者に対し、成人並みの懲罰を適用する年齢を18歳から16歳に引き下げるという法案(PEC171)が下院で審議されている中、2013年の場合、未成年者の罪状の内、同法が対象とする犯罪は12%を占める事が明らかにされた。
PEC171が懲罰適用年齢引き下げの対象とするのは、故意の殺人や強盗殺人、強姦、誘拐、傷害致死などだ。
13年に身柄を拘束された未成年者の罪状を見ると、全犯罪行為25192件中、強盗殺人は485件(1・94%)、強姦は288件(1・15%)、誘拐は25件(0・1%)、殺人は2205件(8・81%)で、12%を占めた。
但し、この統計での殺人は、故意のものか過失か、理由もなくあるいは些細な理由での殺人か、残虐な方法で行われたか、被害者に自分を守る手立てがあったかといった区別がされていない。現在審議されているPECでは、過失による殺人は、凶悪犯罪としては扱わない。
2日未明に第1回目の承認が行われた修正案では対象から外された、外傷を与える暴力行為(但し死亡はしていない)は237件(0・93%)だった。
未成年者の犯罪で最も多かったのは強盗の1万51件(40・01%)で、1%以上を占めた罪状は、麻薬密売5933件(23・46%)、殺人2205件(8・81%)、殺害脅迫1414件(5・65%)、窃盗855件(3・36%)、殺人未遂747件(2・99%)、武器の不法所持572件(2・29%)、強盗殺人485件(1・94%)、強盗未遂421件(1・68%)、強姦288件(1・15%)となっている。
2日未明に承認された修正案では銃器を使ったり集団で行ったりする強盗・窃盗や麻薬密売が対象から外されたが、この統計では、全体の40・01%とされた強盗事件の内、原案で対象となるはずだった凶悪な強盗事件はどれだけで、出来心で犯した通りすがりの犯罪がどれだけかといった区別はされていない。
2日に承認された法案は、8月以降、下院で再び審議され、再度承認された場合は上院に送られる。上院は憲政委員会で審議の後に本会議になけるが、上院で修正が加えられれば、同法案は再び下院に差し戻される。
上院本会議が修正を加えずに承認した場合は法令として発効するが、この場合、新法によって損失を被る可能性のある人の有無などを最高裁が判断する事になる。
青少年の犯罪の凶悪化を防ぐために懲罰を重くするとか、成人と同様の基準で罰する年齢を引き下げるといった議論を行っているまたは最近まで行っていたという国は20カ国近く、ブラジルでの議論の行方に注目している国は決して少なくない。(2日付G1サイト、2日付フォーリャ紙より)