【既報関連】下院で、1日未明に一度は否決された、刑法に関する成人規定を18歳から16歳に引き下げる憲法改正法案(PEC171)が、一部に修正を加えた後に再審議され、2日未明に承認された。同様のことは、5月下旬に政治献金の憲法改正案でも起きており、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)の強引な手法が問題視されている。2日付伯字紙が報じている。
昨日付本紙でも報じたように、1日未明の時点でのPEC171は、賛成票が303票で、憲法改正に必要な「下院定員の60%(308票)」に満たなかったため、否決された。
しかし、一夜明けた1日の日中、クーニャ議長は下院でのPEC171の再投票を同日夜行うと呼びかけた。
再投票の対象となる法案は、社会民主党(PSD)、人道連帯党(PHS)、キリスト教社会党(PSC)のリーダーたちが中心となって部分修正されたものだった。
それによると、殺人や強姦、強盗殺人などの凶悪犯罪に関しては、成人同様の懲罰適用開始を原案通り16歳に引き下げるが、重度の窃盗・強盗や、死にいたらなかった暴力行為、麻薬取引、拷問、テロ行為などの犯罪は、16歳からの懲罰適用から外した。
この修正を踏まえた後に下院で投票が行われ、2日午前零時50分に承認された。結果は賛成323票、反対155票、棄権2票だった。
クーニャ議長は、前日の投票での敗退に関し、「成人年齢を引き下げると、刑務所収監者が1年につき4万人増え、他の刑法にも影響を及ぼしうる」と訴えて反対したジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ法相(労働者党・PT)のせいだとし「嘘つき」と称した。
しかし、PTをはじめとした連邦政府寄りの議員たちからは、「粉飾法案だ」との声が上がり、連邦最高裁に不正審議だと訴えることも辞さない構えでいる。下院では5月27日にも、一度否決された政治献金に関する憲法法案が、修正を加えた上で翌日承認され、問題となっていた。