「44・45・46!パーラベーンス・プラ・ヴォッセー」―。ハーフタイムに声を合わせ、設立46周年を自ら祝ったコリンチャンス私設応援団「ガヴィオンエス・ダ・フィエル」の面々も消化不良の試合だったのではなかろうか。
7月2日、ブラジル全国選手権第10節、コリンチャンス対ポンチ・プレッタの一戦が行われ、コリンチャンスが2対0で勝利した。
前半こそテンポよくパスをつないで敵ゴールに何度も迫り、前半40分にセレソン・エリーアスのアシストからジャジソンのゴールで先制するも、後半一気にペースダウン。逆に自陣に釘付けになった。
際どいシュートを何本も浴び、勝つには勝ったが、今シーズンの運を使い果たし、今後しばらく不運が続くのではと思わされるような試合だった。
後半ロスタイムにようやく入った追加点も、敵のディフェンスの簡単なミスを奪って決めたもの。決めたワグネル・ラヴの殊勲とはいえまい。ポストプレーがほとんど成功しないので、攻撃のスイッチが入らない。
「流れを変えるためにここであいつを!」と思った直後に「怪我をしてるんだった。パン・アメリカン大会の代表に行ってるんだった。スペインチームに引き抜かれたんだった。リオのライバル、フラメンゴに引き抜かれたんだった」と、死んだ子供の年を数える思いで劣勢のコリンチャンスを見守った。
10日前にサントスで見たサントスFC相手の負け試合の方が内容は良かった。しかし勝ち点3を追加し、順位も上昇、首位とは勝ち点3差の順位表をみると、自然と顔がほころぶのはサポーターの性か。
最後に、ブラジルは入場者数より、チケットの総売り上げ高を重視している(「レンダ」というチケット総売り上げが発表されるのはブラジルだけ)ため、コリンチャンスは特定の席を250レアルや400レアルなどにして下げない。平日開催の昨年の2部チームとの対戦くらい、チケットの値段を下げて、ガラガラだった高額な席を埋めればよかったのにと思うのは私だけだろうか?
客単価が下がろうとも「ぎっしり満員のスタンド」こそが選手もファンも高揚させ、テレビで放送されるときの価値も上がるというものだ。TVに映るガラガラのスタンドをみて、「客単価は高い」と納得する人と、「コリンチャンス人気無いんだ」と思う人、どちらが多いかといえば自明なはずだが…。 (規)
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