【既報関連】青少年の責任年齢引き下げに関する法案審議の際のエドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)の議会運営のあり方をめぐり、労働者党(PT)などが違憲性を訴え、司法界からも違憲との見解が相次いだ。3日付伯字紙が報じている。
凶悪犯罪に限り刑法の成人年齢を18歳から16歳に引き下げる憲法改正案(PEC171)は一度否決されたが、内容を微調整して1日後に再投票させ、承認に持ち込んだことは昨日付本紙でも報じた。クーニャ議長の強引なやり方は、「粉飾法案」として議会内での反発を招いている。
クーニャ議長のやり方に疑問を呈したのは、PTや自由社会党(PSOL)、ブラジル共産党(PCdoB)、社会大衆党(PPS)、ブラジル社会党(PSB)、民主労働党(PDT)とPMDBの一部議員で、最高裁にも訴える意向だ。アレッサンドロ・モロン下議(PT)は、訴訟は「2度目の投票結果を無効にし、クーニャ議長のやり方に制限を加えるため」と説明している。
また、ブラジル弁護士会(OAB)もPEC171の承認に関し、「前日に否決されたという事実を覆すほどの修正案とは言えない」との判断を示し、この承認の過程を違法だとしている。
マルコ・アウレーリオ・メロ連邦最高裁判事も憲法第60条第5項を引き、「一度否決された法案を新たなものとして再審議する場合、最低でも48時間時間を置かなければならない」との規定に反しているとの見解を明らかにした。
他方、クーニャ議長は2日、連邦政府内で議会との政局調整(アルチクラソン)役を任されたミシェル・テメル副大統領に関し、「一部PT勢力が(テメル氏の)影響力を弱めている」とし、「もし、このままの状況が続くようなら、テメル氏はアルチクラソンを降りることになるだろう」と語った。この発言を受け、アロイージオ・メルカダンテ官房長官と大統領府のエジーニョ・シウヴァ社会通信局長官は、テメル氏の重要性を改めて強調する声明を出した。訪米を終えて帰国したばかりのジウマ大統領も、副大統領と両長官を官邸に招き、「議会側の要請には7月中に対処する」ことを約束した。