【既報関連】上半期のトラック販売が昨年同期比42%減となる中、大サンパウロ市圏サンベルナルド・ド・カンポにあるメルセデス・ベンツが生産調整と解雇回避のための苦肉の策を提示したと3日付エスタード紙が報じた。
乗用車なども含んだ上半期の車の販売台数は20・7%減だが、トラックやバスの販売は42%と25%縮小している。
自動車業界全体では1~5月に6300人が解雇されたが、販売減と在庫拡大の影響を吸収するための生産調整策としての解雇回避は労使並びに連邦政府の願いだ。
そんな中、トラックとバスの製造・販売が主軸のメルセデスが、就業時間は20%減だが給与減額は10%という苦肉の策を、16年の給与調整はインフレの半分という条件と共に、約1万人の従業員に提示した。同案には、希望退職を募り、開いた枠に5月に解雇された従業員を再雇用する事なども盛り込まれた。
組合側はトラック販売は昨年の半分程度で、業績回復は来年後半からと見て交渉にあたり、このような打開策を引き出した。同社では昨年来、集団休暇やレイオフ、就業日数削減などを行ってきたが、これだけでは業績の落ち込みをカバーできずにいる。
自動車業界の国内総生産(GDP)はブラジル全体のGDPの2・2%を占め、製造業界では24%を占める。自動車部品を加えた場合のGDPは全体の5%で、鉄鋼業やタイヤ製造業、販売や金融といった面も加えると、その影響は更に広がる。 6月21日付エスタード紙は、自動車業界への依存率70%の部品業界は14年に7400人解雇、22%依存の鉄鋼業界は12カ月間に1万1千人解雇、依存率20%のタイヤ業界は6300人をレイオフ、車販売業では1~4月に1万2千人解雇といった影響が出ていると報じている。
タグ:自動車