ブラジルが抱える公的負債は今年に入って更に膨らみ、5月の時点で国内総生産(GDP)の62・5%に達したと1日付伯字紙が報じた。
国債発行額や返済すべき利子などを合計した公的負債は、1年前の時点ではGDPの54・3%だったが、5月の時点では、過去最高の62・5%に達した。
公的負債が増大した理由は、1~5月の基礎的財政収支の黒字が昨年同期比19%減の256億レアルで、GDPの1・1%しかなかった事と、為替の変動や公共料金の値上げなどもあって高騰したインフレ抑制のために経済基本金利が1年前の倍近い13%台に引き上げられた事などだ。
現政権の経済スタッフは、満期となった国債の利子支払い分を工面する目的の新国債発行を避けるため、今年の基礎的収支の黒字目標を663億レアルとしているが、財政調整のための暫定令(MP)の承認が遅れたり修正が加えられたりした事で、目標達成を危ぶむ声が高まっている。
中央銀行は、連邦政府と市レベルの基礎的収支黒字額は改善しているというが、5月までの12カ月の基礎的財政収支はGDPの0・7%の赤字となっており、市場関係者は、年末時点の基礎的収支は0・7%程度の黒字で終わると見ている。