カトリック教会リオ教区のオラニ・テンペスタ枢機卿が5日夜、リオデジャネイロ市内で4人組の強盗に襲われる被害に遭った。
事件が起きたのは5日午後9時30分頃で、同市西部のカンポ・グランデでのミサを終えたオラニ枢機卿が運転手と友人夫婦の4人で車で移動していたところ、同市北部のキンチーノ橋の上で、車に乗った4人組の武装した強盗に襲われた。
強盗は枢機卿たちを車から降ろし、枢機卿が乗っていたKIAのソレントを盗んで逃走した。
オラニ枢機卿が強盗被害に遭ったのは、過去1年で2度目のこととなる。
オラニ枢機卿は昨年9月にも、リオ市中央部のサンタテレーザで強盗被害に遭っている。このときは運転手と報道カメラマン、神学生との4人乗りだった。
このときは強盗の一人がオラニ枢機卿の存在に気づき、盗みを働こうとしたことを枢機卿に詫びたが、窃盗行為をやめることはせず、枢機卿から指輪、十字架、携帯電話など、運転手からはかばんと背広を盗んだ上で、赦しを乞うたという。
これに対し枢機卿は「わが子よ、そなたの罪を赦す」と語り、強盗の窃盗を認めたという。
強盗たちは車も盗んでいこうと考えていたが、枢機卿に気づいて車はそのままにして逃げて行った。ただ、良心が咎めたのか、強盗は道すがら、枢機卿の持ち物を路上に捨てて去ったという。
今回の車強盗に良心の咎めがあるかどうかは不明だが、6日の夕方時点でまだ逮捕者はなく、車も盗まれたままだ。
オラニ枢機卿は、14年3月にフランシスコ現ローマ法王が即位すると同時に枢機卿に昇格しており、ブラジル国内のカトリック教会ではきわめて有名だ。(6日付G1サイトならびに同フォーリャ紙サイトより)