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5日の党イベントでのアエシオ氏(Orlando Brito)
5日の党イベントでのアエシオ氏(Orlando Brito)

PSDB=ジウマ罷免を想定し動き=PMDBから新連立の誘い=アエシオは党首続投へ=大統領選は前倒しも?

 ジウマ大統領(労働者党・PT)の罷免を仮定した動きが、民主運動党(PMDB)や民主社会党(PSDB)内で活発化しはじめていると、4~6日付伯字紙が報じている。

 4日付エスタード紙によれば、PMDBの一部党員が、ジウマ大統領罷免の事態を想定し、同党のミシェル・テメル副大統領が大統領へ昇格した場合に備え、カルドーゾ元大統領に「連立政権再編成の際にはPSDBも連立側として協力してもらえないか」と伺いをたてに行ったという。これに対し、カルドーゾ氏からは前向きな答えが得られたと報じられている。
 同様の伺いはPSDB党首のアエシオ・ネーヴェス上議に対しても行われたという。同上議と会ったPMDB幹部は、ジウマ政権が連邦会計検査院(TCU)から連邦政府の粉飾会計を指摘された件を中心に話し合ったとされる。同件では、PSDBをはじめとした勢力から罷免を求める声があがっており、9月以降、責任追及の動きが強まるとみられている。
 また、ラヴァ・ジャット作戦で逮捕されたUTC社のリカルド・ペッソア容疑者の報奨付証言により、ジウマ大統領の大統領選などでも不正献金疑惑が浮上したことで、罷免への動きはさらに加速化しそうだ。
 現状の同大統領への支持率は、92年のコーロル大統領罷免時と同水準まで落ちている。
 一方、PSDBは5日にブラジリアで党大会を行い、アエシオ・ネーヴェス党首の続投を決めた。党大会は役員選挙にとどまらず、党有力者たちが18年より前に大統領選を行うことなどを念頭に置いた意味深長な演説を繰り返した。
 18年の大統領選出馬が確実視されているジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事は、「PTはもう井戸の底に落ちた。ブラジルはもうPTにはまかせられない」と語った。カルドーゾ元大統領も「現時点での我々は政権与党ではないが、政権を引き受ける準備はできている」と答えた。
 アエシオ氏は14年の大統領選で敗れた直後からPTの選挙不正を取り上げ、高等選挙裁判所に選挙無効を訴えてきた。この日の同氏は、他の有力者同様、「罷免」という言葉は使わなかったものの、「ジウマ政権は任期半ばで挫折する可能性がある」と語った。
 6日付エスタード紙によれば、アエシオ氏は「PSDBはゴルピスタ(クーデター勢力)ではない」としつつ、ジウマ氏が罷免となった際は、18年よりも前に新たな大統領選を行いたいとの意向を表明したという。
 また、6日付エスタード紙によると、PMDBは18年の大統領選候補の一人として、現リオ市長のエドゥアルド・パエス氏を考えている。