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BRICS首脳会議の開かれるロシアのウファに到着したジウマ大統領(Roberto Stuckert Filho/PR)
BRICS首脳会議の開かれるロシアのウファに到着したジウマ大統領(Roberto Stuckert Filho/PR)

上海ショック世界に波及=ブラジルへの影響避けられず=渦中の首脳ロシアに集結=7回目のBRICS会議開催

 7、8日の中国株式市場は売り注文が殺到し、激しい株価下落が起きて取引停止の銘柄が続出した。世界の株式市場は今、ギリシャの動向への不透明感と、中国経済への不安で揺れていると8日付伯字紙や各紙サイトが報じた。

 8日付エスタード紙は、中国株式市場で先月から起きている動きは中国の景気減速の反映とのアナリスト達の見解と共に、実体以上に上がりすぎていた株価の反動的な下落や強力な価格修正により、中国政府が自国通貨の引き下げに踏み切れば、ブラジルなどの資源輸出国を中心とした世界経済への影響は避けられないとの懸念を掲載した。
 上海証券取引所の株価は昨年後半から高騰し始め、昨年10月31日は2420ポイントだった指数は、6月12日に5166ポイントに達し、ピークを迎えた。だが、中国当局が投機的な動きに歯止めをかけようとしたこともあり、その後の株価は3週間で28%下落。6日は一時上昇したが、7日の上海市場は指数3728・19ポイント、8日も3582・50ポイントで取引を終えた。上海と深セン(土ヘンに川)の二つの株式市場では、取引停止を申請する企業が相次ぎ、8日現在、上場株の半数以上が売買停止となった。
 マッコーリー銀行の世界戦略官ティエリー・ワイズマン氏は、中国株式市場は外国人投資家に対して閉鎖的だが、今回の株価下落の影響が他の地域にも波及するのは避けられないとし、「中国が自国通貨の切り下げを余儀なくされれば、ブラジルや他の新興市場は間違いなく苦しむ」と語った。
 ポスト・ブリック・アセットマネジメント社分析官のマルセロ・リベイロ氏は「中国の輸出力が低下したら、中国政府による通貨引き下げは不可避だ。そうなれば、ブラジルの主要輸出品目である原材料などのコモディティ価格にも大きな影響が出る。その意味ではブラジルの危機はまだ始まってもいない」と語った。
 中国株式市場急落の影響の大きさが測り切れない中、ロシア中部の都市ウファでは8日夜から、ブラジル、中国とロシア、インド、南アフリカで構成する、第7回新興5カ国(BRICS)首脳会議が始まった。
 8日付フォーリャ紙によれば、今回の会議では短期的な経済協力や各国が抱える政治的な問題への言及は期待されておらず、16年開業予定の新開発銀行(NBD)の話以外で条約を取り交わすことはなさそうだ。
 NBDは上海に本社を置き、BRICS加盟各国のインフラ用資金調達のために設立される。資本金は500億ドルで始まるが、1千億ドルまで増資される予定だ。
 会期は8、9日と短いが、ウクライナ問題で西側各国から孤立しているロシアは、会議終了後の宣言文にサイバーテロ対策問題とウクライナ問題を盛りこむ意思がある。