1904年創業のフランスの化粧品メーカー、コティ(Coty)が、プロクター&ギャンブルの化粧品部門43銘柄を買い取る事が決まった。
WellaやKoleston、Pantene、Arielといった銘柄は、125億ドルで買い取られる見込みだ。化粧品や香水、整髪関係の品を中心に扱う新会社は、P&Gが52%、コティが48%の株式を保有する予定だ。
新会社ではコティが従来持っていた銘柄も含む60銘柄を扱う予定で、年商は現在のコティの約2倍の100億ドルに上ると見られている。コティは新会社を世界中に拡大させる意向で、ブラジルや日本をその重点に置きたいとしている。
コティはブラジルではまだあまり知られていない。同社は最初、シウヴィオ・サントス氏のグループ企業の化粧品メーカーであるジェキチと提携した。ジェキチは、プレイボーイやアディダス、レディ・ガガ、マドンナといった銘柄の香水などを戸別訪問で売り込んでおり、同社との提携でそれなりの感触をつかんだ事が、ブラジルの市場価値を認め、ブラジル進出を本格化させるとの方針を後押しした。
2013年にはサンパウロ州カンピーナス市のフラージョ社と提携しており、フラージョ社を管理するオ・ボチカリオの直営店(全国8500店舗)でもその商品が見受けられるようになった。
しかし、市場ではコティによるP&G銘柄買収はあまり好意的な反応は生んでおらず、9日のニューヨーク市場ではコティ株が4・7%、P&G株が0・41%下落したという。
P&Gは経営建て直しのため、昨年8月に100銘柄を売りに出すと発表。11月に乾電池のDuracellをウォーレン・バフェットに47億ドルで売却するなどして再建に努めている。市場関係者は、P&G活性化にはコティ側も相当な努力が必要と見ており、その実が見えるまでには時間がかかるとの声も聞こえている。(10日付エスタード紙より)