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ローマ法王南米を歴訪中=過剰な資本主義を強く批判

 7月5日から8日間の日程でエクアドル、ボリビア、パラグアイ歴訪中のフランシスコ法王が、ボリビアで9日、資本主義は「社会的排除と自然破壊」するものだと激しく批判し、社会構造の変化を訴えたと10日付伯字各紙が報じた。
 「本当の社会変革を望む。行き過ぎた資本主義にはもう耐えられない。労働者や農民、母なる大地の我慢も限界」と語る法王は、資本主義は「巧妙な独裁」だと評した。
 同法王は、先進国と巨大メディアを「古くまた新しい仕組みの植民地主義者」と評して耳目を集めると共に、教会がラ米の人々に対して犯してきた過ちにも言及した。
 先進国に関しては「いかなる権力にも、主権を持った貧しい国を私物化する権利はない」とし、メディアに対しては「消費や文化の単一化はイデオロギーの植民地化だ」と批判した。
 法王は土地や家、生活の糧のない人々が置かれている状況を憂慮し、「人々が資本やお金を求めすぎると社会が疲弊し、博愛精神を傷つけて、いさかいが起きる。この状況を変えなくてはならない。ラ米も世界中も同じ課題を抱えている」「飢餓で苦しむ人々が世界中に溢れている現状を見ると、私たちの心の中で絶望が勝ってしまいそうになるが、今諦めてしまえば、消費、金儲け主義が世界を覆いつくしてしまう」と述べた。