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北米報知=北米日系人の今の姿=高学歴、低失業者、日本語多い

 【北米報知5月28日付コラム「一石」】シンクタンク「米国進歩センター」が4月、国勢調査などをもとにした日系人に関する統計を発表している。
 2013年段階で140万人、人口の増加率は2000年から22%で、米国人口の12%増よりも大きな伸びを見せた。日系人口はカリフォルニア州、ハワイ州の2州で日系人口の半数を占めるなか、ワシントン州が7万6766人で3位となっている。
 ニューヨーク州、テキサス州が続く。米国外出身者は40%。米国市民権保持者は72%となる。2013年度の市民権取得者は1837人、永住権取得者は5925人とある。選挙人登録率は全米平均をやや上回り、支持党は民主党が高い。学業面の優秀性は以前から伝えられる部分だが、日系人の人口に対する大学卒は48%。米国全体の29・6%を上回り、アジア系の49%をわずかに下回っている。
 一方、高校卒業に満たない学歴者は6%と多人種を大きく下回った。年間所得の中間値は7万8500ドルと高く、貧困層の人口比率も低い。一方貧困層にある子供の人口率は19%でアジア系の13・6%に比べ高く、米国平均の22・2%に迫り、貧困層にある高齢者も11%で全米平均の9・3%を上回った。
 就業率は58・2%で、他人種に比べて低い傾向がある一方、失業者率も3・3%と低い。また健康保険未加入者は7%と低く、民間企業の保険会社利用率は高い。自宅で英語以外の言語を話す人口率は44%と高く、日本語を第一言語とする人口は44万9309人に達する。
 また移民率が高いことに比例し、英語力が低い、また言語的に家庭で孤立する率は全米平均に比べ高い傾向が出ている。
 データからさまざまな見方ができるが、日系人は相対的に平均以上の学歴を持ち、また堅実な人種性もみることができる。海外出身者が4割に達するなど、日系社会における移民者の比重は高い。子供の貧困率は気になる部分だが、言語、就労面などからも、現在の日系人の姿を見ることができるかもしれない。(佐々木志峰)