現在、ファンキはブラジルの若者に大人気のダンス・ミュージックだが、同時に、「青少年の教育上、良くない」とする声も目立つ音楽でもある。現在、サンパウロの検察局は弱冠6歳のMC(ラッパー)に目を付けはじめている。
ファンキは数年前、ショッピングセンターの駐車場を無断で占領してのゲリラ・ショーの開催でサンパウロ市や郊外で問題となっていたが、青少年どころか、小学生にも人気が拡大した今は、さらに別の問題にも直面している。
ファンキには黒人の若者がライフ・スタイルの願望を歌詞に託す傾向があり、高級品のネックレスを身にまとい、セクシーな美女を傍らにはべらすような生活など、自分の歌うファンキの成功で実現させてみたい夢を描いたような曲も見うけられる。
だが、それは遂には6歳の少年の憧れにもなってしまった。MCヴィロンジンと名乗る6歳のMCは、この5月に動画サイトで自身の曲「タパ・ナ・ブンダ(おしりペンペン)」を発表し、これが視聴回数6万回を超えるヒットとなった。
髪を短く刈り込み、青いシャツの上にチェーンをぶらさげ、ファンキのMCを気取るヴィロンジンの姿は愛嬌があるのだが、動画内で2人の年のだいぶ離れた女性ダンサーを従え、「あの娘のおしりを叩いちゃえ」と歌っている姿はさすがに問題視された。
これがもとで、ヴィロンジンの名前は検察局による「ファンキの要注意者リスト」に入れられてしまった。
検察はこれまでにもファンキの要注意者リストを作っており、今年4月には、8歳の少女MCのMCメロディが、同じく、歌詞の卑猥さを理由に問題視された。これを受け、メロディの父親は路線変更することを約束した。
なお、ヴィロンジンの父親によると、今のところ、まだ検察から直接事情聴取などをされたことはないという。(14日付G1サイトより)
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