カナダのトロントで開催中のパンアメリカン(汎米)大会で14日、男子体操のアルトゥール・ザネッチが吊り輪で期待通りの金メダルを獲得した。
冷静に自分のなすべき事をこなす―。五輪王者にして世界選手権王者。二つの世界タイトルを連取した第一人者、ザネッチに迷いは無かった。
2011年の汎米大会で取れなかった金をと願い、万全の体制で臨んだ大会だったが、団体戦では床で線をはみ出すミスを犯した。
だが、種目別個人での演技は、8人中最後という事もあり、冷静そのものだった。他の7人が演技を終えた時点で15・525点を超えていないのを見たザネッチは、自分が知っている事、やれる事を最高のレベルでやる事に徹した。
着地はほぼ完璧で、着地した途端に笑みがこぼれた。得点は15・725! 2位のドネル・ホワイテンバーグ(米国)は15・525、3位のマンリケ・ラルドゥエト(キューバ)は15・450で、得点差を広げての堂々の優勝だった。
「このタイトルだけが取れてなかったんだ。本当に嬉しくてたまらない。恩師やスポンサー、仲間やブラジル国民、みんなに感謝しなくちゃ。優勝は僕だけのものじゃないんだから」という本人に続き、マルコス・ゴトウ監督も「唯一欠けていたタイトルだ。この後の世界選手権までこの状態を維持しなくては。もちろんブラジル選手団としては団体戦での入賞も目指すけどね」と応じた。
11年の汎米大会で銀を獲得後、12年のロンドン五輪で金、13年ベルギー開催の世界選手権でも金を獲得したザネッチだったが、中国で開催された14年の世界選手権では銀に甘んじた。それだけに、10月にグラスゴーで開催される世界選手権で再度、最高位につき、16年開催のリオ五輪に向けた勢いを増す事を本人も周囲も待ち望んでいる。(14日付G1サイトなどより)
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