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家宅捜査にあったコーロル元大統領(Jefferson Rudy/Agência Senado)
家宅捜査にあったコーロル元大統領(Jefferson Rudy/Agência Senado)

LJ16弾=コーロル氏らに捜査及ぶ=罷免時を上回る収賄疑惑=ジウマ政権元閣僚2人も対象=進歩党からは党首含む4人も

 14日朝、連邦警察がラヴァ・ジャット作戦(LJ)第16弾を敢行し、元大統領のフェルナンド・コーロル上院議員(ブラジル労働党・PTB)はじめ、閣僚経験者を含む政治家が次々と家宅捜査の対象となった。14日付伯字紙サイトが報じている。

 連警はこの日、連邦最高裁の許可を得て、ペトロロンに関する6件の疑惑に関する捜査を行った。捜査対象箇所は連邦直轄区12、バイーア州11、ペルナンブコ州8、アラゴアス州7、サンタカタリーナ州、リオ州、サンパウロ州各5で、件の捜査が入った。
 今回の捜査対象は政治家が中心で、コーロル元大統領をはじめ、進歩党(PP)のシロ・ノゲイラ党首、元国家統合相のフェルナンド・べゼーラ・コエーリョ上議(ブラジル社会党・PSB)、元自治相のマリオ・ネグロモンテ元下議(PP)、エドゥアルド・ダ・フォンテ下議(PP)、ジョアン・ピゾラッチ元下議(PP)らが名を連ねた。また、国家会計検査院のアロウド・カドラス判事の息子で弁護士のチアゴ・カデラス氏も対象となった。べゼーラ氏とネグロモンテ氏はジウマ第1期政権の大臣だが、任期半ばで職を務めた。
 今回の目玉となったのは、92年に大統領罷免処分を受けたコーロル氏だ。同氏の名前は、LJ主犯のアルベルト・ユセフ被告やUTC社のリカルド・ペッソア被告の報奨付証言の中でも挙がっていた。それによると同氏は、ペトロブラスの子会社、BRディストブイドーラ社の事業に関する賄賂として、UTC社から2010~12年に2千万レアルを受け取ったとされている。また、シロ・ノゲイラ氏もこの件で200万レアルを受け取ったとされている。
 コーロル氏は92年に収賄の疑いを持たれたことで大統領罷免となったが、このときは逮捕されるには至らず、2007年にアラゴアス州上議として政界復帰していた。
 連警はこの日、ブラジリアとマセイオにあるコーロル氏の自宅や、同氏が経営に携わるTVガゼッタにも捜査の手を伸ばした。
 また、ペトロブラス元供給部長のパウロ・ロベルト・コスタ被告の報奨付証言で言及されていたべゼーラ氏は、昨年飛行機事故で他界した元大統領候補のエドゥアルド・カンポス氏が2010年のペルナンブコ州知事選に臨んだ際、2千万レアルの賄賂を受け取ったとされている。べゼーラ氏は当時、ペルナンブコ州の開発局長だった。
 今回の捜査は証拠隠滅などを防ぐ目的で行われたが、対象となった政治家たちはそれぞれ、弁護士などを通じて、無実、無根と主張している。