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夫が電話で「今日殺れ」=殺し屋が諦めて妻助かる

 サンパウロ州イトゥー市で、友人の仲介で複数の殺し屋を雇い、32歳の妻を殺させようとした男性がおり、14日にその男性と仲介役の友人、殺し屋の1人が捕まった。
 妻殺害計画が実行に移されたのは6月25日の夜だった。夫は同日、殺し屋に電話をかけ、「妻が午後7時頃スポーツジムから出て来るから、注意して待っておけ」「今日殺れ」と指示した。
 何も知らぬ妻は、いつもの通り、スポーツジムを出て自分の車に乗り込んだ。妻の車の前の車には4歳の息子と夫が乗っていたが、夫が「車の調子が悪い、ちょっと降りて、見てくれ」と言ったため、妻が降りたところ、3人組に囲まれたという。
 男達は妻をインダイアツーバの雑木林まで連れて行き、約8時間、軟禁状態に置いた。男性はこの間も電話をかけ、「殺せ」と指示したが、仲間2人がどこかに行き、1人だけになった殺し屋は妻殺害を諦め、妻を助ける事にした。
 殺し屋は妻を車の通る道まで連れてくるとタクシーを拾い、イトゥー市内に住む妻の両親の家に行くよう指示した。
 殺し屋の情けで命拾いした妻は、夜が明けると警察に飛んで行き、事情を説明。警察が最初に見つけたのは、妻を救った殺し屋で、夫が殺害を依頼した事や、夫の友人が仲介役を果たした事などを告白した。
 これを聞いた警察は、電話の通話内容などから夫とその友人が関与した事を確認し、殺し屋友とも逮捕した。妻の誘拐に関わった他の男性2人の行方はまだ判明していないという。
 15日朝の時点では、警察は妻殺害を依頼した経緯などを把握していないようだが、警察によると、妻が誘拐される様子を目撃した息子は、「お母さんが連れて行かれちゃうよ」と叫んだが、夫は「父さんは弱いから何も出来ない」と言ったという。
 妻殺害を依頼した夫は28歳、仲介役の友人は45歳、一旦は殺しを請け負ったが最後は妻を救った殺し屋は30歳。3人は誘拐と殺人未遂、犯罪組織構築の罪で起訴される見込みだが、警察によれば、妻を助けた殺し屋は警察の捜査にも協力しており、刑軽減の可能性があるという。(15日付G1サイトより)