TAM航空(ブラジル)とLAN航空(チリ)が合同で作ったLatam航空グループ(Latam)が4月に、ペルナンブッコ州(PE)、セアラー州(CE)、北大河州(RN)から新たな〃ハブ空港〃を選ぶと発表して以来、3州間での誘致争いが激しさを増していると15日付フォーリャ紙が報じた。
〃ハブ空港〃は多くの経由便が集まり、接続の「核」となる空港で、Latamの〃ハブ空港〃構想では48億レアル相当の投資と1万人の雇用創出が見込まれている。
RN州都ナタールから40キロ離れたサンゴンサロ・ド・アマンテ空港は競合3空港の中で唯一、エアバスA380などの大型旅客機が発着できる滑走路を備えているとアピールしているが、ブラジル空港インフラ業務公社(Infraero)はPE州都レシーフェのグアララペス空港も同じ性能を備えているとしている。ルイ・ガスパールRN州観光局長は、「他の州を貶めることはしたくないが、我々RN州のメリットはしっかり強調していく」と語った。
PR映像の中で、サンゴンサロ・ド・アマンテ市役所は、サービス税(ISS)の税率をLatamに限り5%から2%に引き下げるとの申し出も行った。
PE州ではレシーフェに本拠を置くサッカーチーム三つが、試合の前後に#hubTAMnoRecife (#TAMのハブ空港はレシーフェに)と書かれたシャツを着てアピールする。フェリペ・カレーラス同州観光局長も、「昨今の経済危機の中、同規模の経済投資は非常に重要だ」と語った。
PE州とRN州は今年に入り、旅客機燃料への商品流通サービス税(ICMS)の税率を、それぞれ25%、17%からCE州と同じ12%に引き下げた。
TAM航空はハブ空港の選定は、立地条件、空港設備、経済発展の可能性の3点を基準に行うというが、連邦政府の意向も気になるところだ。一部識者からは、連邦政府が労働者党(PT)のカミーロ・サンターナCE州知事や、連立与党の社会民主党(PSD)ロビンソン・ファリアRN州知事の便宜を図ろうとすると懸念する声と共に、野党の社会党(PSB)のパウロ・カマラPE州知事の気をひこうとするとの見方が出ている。