上院がＥＣＡ変更案承認＝未成年者の懲罰上限を延長

　上院が１４日、未成年者が重犯罪を犯した場合の懲罰期間を最高１０年に引き上げる法案を承認したと１５日付伯字紙が報じた。
　承認されたのは、ジョゼ・セーラ上議（民主社会党・ＰＳＤＢ）が提唱した、１２歳以上１８歳未満の未成年者が殺人や強盗殺人、強姦などの重犯罪を犯した時の懲罰期間上限を、３年から１０年に引き上げる案で、対象となる青少年犯罪者は少年刑務所の房も分け、司法関係者らが半年毎に罪状と懲罰の内容、矯正の可否などを評価する。青少年に犯行を命じたりした成年犯罪者への懲罰も重くするという。
　これは、１８歳未満の未成年者が犯行を犯した時は２１歳まで社会教育矯正を行う事を認める児童青年憲章（ＥＣＡ）の変更案だ。ＥＣＡでは、未成年時に犯した犯罪で少年院または少年刑務所に入っている収容者を成年犯罪者が受刑する一般刑務所に入れる事は違法としている。
　同変更案は、１６歳以上の未成年者が重犯罪を犯した時は成年犯罪者と同様の懲罰を適用し、成年犯罪者と同じ刑務所に収容するという憲法補足案（ＰＥＣ）よりも、連邦政府からの支持を得ている。同案は４３対１３で承認され、下院の審議に回される。
　１４年８月～１５年６月にサンパウロ州で起きた未成年者による犯罪４９８０件中、重犯罪は強盗殺人５１件、故意の殺人２９件、殺意の無い殺人２２件、年少者強姦３４件、強姦４件、重度の傷害を伴う強姦２件、重度の傷害７件の１４９件だが、ＥＣＡ変更案では重度の傷害を除く１４２件（全体の２・８％）が懲罰延長対象となる。ＰＥＣ改定で成人犯罪として扱われるはずの１６歳以上の重犯罪（重度の傷害を含む）は１０２件で、全体の２％となっている。