地理統計院(IBGE)が14日、5月の小売販売は0・9%減を記録し、12カ月間の累積でも0・5%減となったと発表したと15日付エスタード紙が報じた。
小売販売がマイナスに転じたのは03年以降、初めてだ。02年は大統領選の行方が見えないために国民が先行き不安に襲われたりした事で小売販売も急速に落ち込んだが、新政権発足後は状況が好転し、04年以降は急速な回復を見た。
ところが、今回は様子が違い、消費者の信頼感指数低下やインフレ、融資枠の縮小などのマイナス要因ばかりが目立つ。
市場関係者は今回の発表を受け、15年は2%程度の景気後退となる可能性が強まったと見ている。また、第4四半期には景気が好転との見方は鳴りを潜め、景気回復は16年に入ってからとの声も出始めたようだ。
解雇や給与カット、インフレ等による購買力低下は耐久消費財の販売でより強く現れ、これまでは常に販売増を記録してきた商品も、1~5月のスマートフォン販売が昨年同期比16%減、1~4月のテレビ販売が同43%減など、大幅な落ち込みを記録している。