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BEGINとブラジル

 「ブラジルで僕らの音楽を聞いてくれてるらしいんですけど…本当ですかねえ―」。2008年にあった「沖縄県人移住100周年」の会場で流されたDVDの映像で苦笑混じりに語っていた沖縄出身のバンドBEGIN。2011年の初コンサートでは、多くのファンを喜ばせている。本人たちにしてみれば、来てみてビックリだったのだろう▼帰国後に移民をテーマにした楽曲や県人の歓迎を受けたさいにヒントを得た「シュラスコ」も作っており、新アルバム『ビギンのマルシャ ショーラ』を今月発売した。2拍子のリズムが特徴でいわゆるマーチだ。それに「しましょう!」の沖縄方言「ショーラ」に繋げた。そのなかの新曲「バルーン」は、今年の外交関係樹立120周年、ブラジルと沖縄の移民の歴史を意識して作られているとか▼13年の公演の様子は、『BRASILLIVE―IN SAOPAULO』としてDVD発売もされている。初公演から4年。ここまでブラジルを音楽活動に加え、日本に移民のことを伝えてくれる稀有なミュージシャンだろう。やはり沖縄の同胞に対する思いは熱い▼今年11月、サンパウロ市の県ヴィラカロン区の「沖縄祭り」で三度目の公演をするようだ。それを弾んだ声で伝えてくれたのは、先々月帰沖したばかりの呉屋春美文協会長。毎年8月のイベントだが様々な問題で延期になっていただけに「盛り上がりますよね~」と嬉しそうに語る。実は08年、壇上でDVDを紹介したのが、呉屋会長だった。沖縄文化をブラジルに―と意気込んでいるだけに、なかなか感慨深いものがある。(剛)