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子供人気局に「待った!」=名物ちびっ子司会者が裁判で差し止め

 SBT局といえば、現在ブラジルの民放テレビで視聴率2位の人気局だが、その原動力となっている子供番組で思わぬ「待った」がかかった。
 15日、同局の朝の子供視聴専門の帯番組「ボン・ジア・エ・シア」に、司会のマテウス・ウエタ君(11)とアナ・ジュリアちゃん(8)は出演しなかった。
 番組ディレクターをつとめるシルヴィア・アブラヴァネルさんは14日午後12時頃、自身のフェイスブックで「裁判所の判断で2人の出演がなくなった」とその理由を記した。シルヴィアさんは15日も放送開始の午前9時に登場し、冒頭のあいさつで同じ説明を行なった。
 これはサンパウロ州の地方労働裁判所が、2人の労働時間は学業に支障をきたすと判断したためだ。この判決を言い渡した判事は、同じ週、別の演劇に出演中の子役2人にも同様の判決を下している。
 SBTはその判断を尊重したことにしたわけだが、上告する意向で、シルヴィアさんも視聴者への説明の際、「一時的に出演できない」と語っている。
 SBTはここ数年、子供番組に力を入れており、夜7~8時台に放送していた「カロッセル」「チキチッタス」といった、小学校を舞台にしたノヴェーラは社会現象となるほどの成功を収めていた。SBTは子供番組の成功により、視聴率争いで老舗のレコルデ局を追い抜き、圧倒的な視聴者数を誇るグローボ局に続く局になっていた。
 マテウス君は「カロッセル」にも、額にまいた「平和」というハチマキがトレードマークの「コキモト・ミシマ」という日系人少年の役で登場し、人気キャラクターとなっていた。マテウス君は休暇で、アメリカはマイアミ州のディズニーランドを訪れており、自身の司会差し止めの話はそこで知ったという。
 ブラジルの場合、テレビや映画、演劇に出演する子役への法規制が厳しく、書類提出のほか、夜8時までの収録や栄養士をつけることなどが義務付けられ、主要テレビ局では教員やカウンセラーまであてがっている。
 15日の番組での2人の司会の不在は、SBT局にやはり子役の存在が必要なことをうかがわせた。この日の「ボン・ジア・エ・シア」の視聴率は同番組の平均4・9ポイントを大きく上回る6・6ポイントで、同時間帯に放送しているグローボ局の朝の名物長寿奥様番組「マイス・ヴォセ」の6・9ポイントに迫っていた。同日の最大瞬間視聴率は9ポイントまで上がったという。(15日付UOLサイトならびに16日付エスタード紙より)