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検察がルーラに捜査の手=影響力使って便宜を図る?

 連邦検察庁が、ルーラ前大統領が建設大手のノルベルト・オデブレヒト(以下、オ社)に外国での事業受注で便宜を図った疑いで捜査を始めた。
 捜査開始は8日で、11~14年にオ社が国外で請け負った事業は、前大統領が政治的な影響力を行使して便宜を図った可能性があるという。
 前大統領とオ社が密接な関係にある事は以前から知られていたが、検察は、ドミニカやキューバでの事業受注で社会経済開発銀行(BNDES)から直接、間接の融資を受けた事なども含め、前大統領の影響力行使の程度と、同氏やルーラ研究所、講演などを取りまとめるLilsパレストラス・エ・エヴェントス・エ・プブリシダーデへの不正な金の動きがなかったかを捜査する意向だ。
 前大統領は退任後も積極的に国外に出ており、11年は5、6、7、9月にオ社の負担または同社関係者同行でパナマ、ベネズエラ、アンゴラ、ガーナ、ポルトガルを訪問。8月にはOAS負担でコスタリカとボリビアも訪問している。
 12年はカマルゴ・コレア負担でモザンビークと南アフリカを訪れ、13年は1、3、6月にオ社関係者とキューバ、ドミニカ、米国、ニジェリアなどを訪問した。6月のペルー訪問はオ社とOAS、アンドラーデ・グチエレス、カマルゴ・コレアの関係者が同行。10月にはOASの負担でチリに飛んでいる。
 オ社の国外事業へのBNDESの融資は、アンゴラ82億レ、ドミニカ63億レ、アルゼンチン57億レ、ベネズエラ29億レ、キューバ26億レ、エクアドル19億レなどとなっている。
 ルーラ研究所は「検察が要請した情報は先日提出したばかりで、十分分析したとは思えない。金の動きにやましい点はない」と弁明。BNDESは「融資には明確な規定があり、個人的な働きかけで融資が決まる事はない」との文書を出した。(16日付アジェンシア・ブラジル、17日付エスタード紙、同フォーリャ紙より)