【既報関連】エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)は17日、ラヴァ・ジャット作戦で逮捕されたジュリオ・カマルゴ被告が16日にパラナ州連邦裁判所で行った「クーニャ氏自身が500万米ドルの贈賄を求めた」との証言に反応し、政府との決別を宣言した。17日付伯字紙やサイトが報じている。
トーヨー・セタル社元役員で、ロビイストでもあったカマルゴ被告は16日、ペトロブラス(PB)を巡る汚職事件に関する裁判の場で、11年にクーニャ氏に贈賄を行った際のいきさつについて証言した。
この裁判はPB元国際部長のネストル・セルヴェロー被告とPMDBのロビイストだった通称フェルナンド・バイアノ被告らを巡るものだ。カマルゴ被告によれば、事の発端は06年と07年に韓国のサムスン社と三井グループがペトロブラスの石油掘削船の建設と賃貸に関して2件で計12億米ドルの契約を結んだ件で、PMDBが受け取るべき賄賂1千万米ドルの支払いを渋った後に圧力がかかったという。
カマルゴ氏はフェルナンド・バイアーノ被告から「クーニャ氏から賄賂を払えと脅されている」と泣きつかれたという。
カマルゴ被告はクーニャ氏、バイアーノ被告の3者でリオ市レブロンの商用ビルで会ったが、クーニャ氏は「私は500万米ドルの価値のある男だ」と言い放って自身への賄賂を強要し、支払わせたという。
17日付エスタード紙によれば、ラヴァ・ジャット主犯のアルベルト・ユセフ被告も今年5月13日の報奨付の供述で、三井(トーヨー・セタルの親会社)に賄賂を支払うよう圧力をかける文書を書かせたのはクーニャ氏で、カマルゴ被告はバイアーノ被告がクーニャ氏に圧力をかけられて困っていると話していいたと証言していた。
カマルゴ氏は、これまでこの件について語らなかったのは「家族や会社への報復が怖かったからだ」と語った。
このカマルゴ被告の証言を受け、クーニャ議長は「これは、連邦政府とロドリゴ・ジャノー検察庁長官が私に対して仕組んだ陰謀だ」と憤った。
クーニャ氏は17日夜にテレビやラジオで政権放送を行う予定だったが、17日午前に緊急記者会見を行い、連邦政府と絶縁すると宣言した。これにより、議会での大統罷免審議や、ラヴァ・ジャットや社会開発銀行(BNDES)、年金問題でのCPI(議会調査委員会)への連邦政府要人の召喚は避けられなくなりそうだ。
ただ、クーニャ議長の強行採決などには下院でも不満の声が上がっており、政府、議会共に混乱が予想される。PMDBは17日午後、クーニャ氏の宣言は個人的なものとの文書を発表した。
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