グァタパラ農事文化体育協会(茂木常男会長)が7月11、12日、サンパウロ州グァタパラ市内の同文協で『移住地入植53周年祭並びに収穫祭』を開催し、両日で約2千人が来場した。昨年は泥炭による余得があった同移住地だが、今年もその恩恵は続いているようだ。
初日午前10時にはモンブカ墓地の「拓魂」碑前で、恒例のカトリック式法要が行なわれた。約70人の参加者が墓に眠る215人の先没者を偲び焼香した。記念式典では、市の鼓笛隊が開会を祝い、来賓が祝辞をのべた。外交120周年を祝し、市役所から贈られた記念プレートもお披露目された。
来賓には飯田茂在聖領事部長、JICAの那須隆一所長、ウィルソン・ガスパリーニサンパウロ州議、サミール・レドンド市長、日系三団体代表者、南米産業開発青年隊の渡辺進会長らが訪れた。
昨年は地下資源の泥炭を売った利益で、会館横に900平米の屋根を建設。今回はゲートボール場一面分に屋根と照明設備を設置した。台所も改修中で広さが3倍に。「出窓も設置して弁当の受け渡しも楽になった。前は人が何度も行き来する手間があった」と婦人らにも好評のよう。当日は午前5時から弁当作りに汗を流していた。
そんな甲斐もあって、入植祭は例年以上の盛り上がりだったようだ。茂木会長は「良い評判が広まりつつある。婦人部の料理はピカイチでハズレがないからね。出店も30から50弱に増えた。問い合わせが多く断った業者もあるくらい」と盛況を喜んだ。
毎年用意される県連バスツアーで20人がサンパウロ市から駆けつけた。恒例の農産展や日語校の製菓販売、金魚すくいなどが行なわれ、歌手の伊藤カレン、海藤三味線教室、日本舞踊の京藤間流らが会場を盛り上げた。
近隣のアララクアラから訪れた日系二世の60代女性は、「毎年レンコンを買いに来ます。去年はこんにゃくがなかったけど今年はあるかしら」と同地名物を求めていた。市内在住のジェフェルソン・ロドリゲスさん(41)は娘を乗せてバイクで来場、「来るのは3度目。焼きそばが大好きなんだ。今日は初めて太鼓を見たが、日本文化は独特だね」と話していた。